基礎練習になるものごとは、単調に思えて。形あるだけに、きゅうくつにも感じる。
でも、やりたいように自由に動きたいと願ったとき。
基礎練習があった分だけ安定して動いて行ける。余分な力抜いて進んで行ける。
動きたいようにする準備だとわかったら、見た目がきゅうくつでも、単調に思えても。
もうちょっと頑張れるし、頑張りたいと思う。
—–
精神修養のためと祖父に教わっていた書は、練習がきゅうくつに思えて、集中ができなかったことも多かった。はじめは。
でも、そのうちに知る。
きゅうくつだから。といって練習やいつものことをおろそかにしていると、大きなものを作るときに思ったように手が動かないことを。
大きな筆で、踊るように。白と黒がいきいきと飛び回る絵を見ているような書。
書きたいと思ったように動くには、体の中のリズムが筆と一緒に外に出てくる必要がある。
身体の中にあるリズムが、筆とどうしてもあわない。思ったように筆が流れない。止まらない。
思ったように、動かない筆。
きゅうくつに思えた練習が足りてくると、筆が突然うごきはじめる。身体に筆のリズムが生まれる。
手本の字をまねて書いていくことで体にリズムが入っていく。
筆運びの感覚と表に出てくる形が、どうあわさっているかを実験をする時間が、手本をまねて書く時間。
大きな字を書くこと。踊るような書を作りたい。
それを目指して、手本の字をまねて、きゅうくつな練習をするのだ。
思ったように動きたい。もっと、楽しく書いてみたい。
それを支えるための練習だと思えるようになった時、あれほどきゅうくつな練習が、少しずつ楽しみになった。積み上げていくからわかるものがあった。
—–
「きゅうくつ」に感じたり。
「つまらない」と思ったり。
単調に思えて、手を抜いてしまうこともあった。
「今さら、勉強しなおすなんて申し訳ない」と思ったり。
「それ、知ってる」と頭がよそへむいたり。
懸命にむきあってる「つもり」にしかならないこともあった。
へなちょこがこわくて、基礎練習にとびこめないこともあった。
でも、やりたいもの。見たい世界が見え始めた時。
もう一度あらためて、今のわたしで頑張りたいと思うようになった。
だから、また。頑張り始めます。
へろへろとしか動けない。何度もはばたくのはめんどくさい。
飛ぶ練習はきゅうくつ(だけど、優雅に空飛びたい)。
優雅に、ちゅんちゅんと飛び回るには。
へなちょこでも飛ぶ。何度も飛ぶ。とにかく飛ぶ。
そのことがわかったからには、へなちょこでも。今飛べる力で飛んでみる。頑張ってみたいのです。
その繰り返しで、気づいたら力抜いて優雅に空を飛べるようになっている。はず。
あわせて読みたい
飛ぶ練習を見守ってくれる人がいて、「お?」と言いあえる仲間がいてくれるなら、それは最高に幸せなのです。