同じ言葉に行きついても、道は人それぞれ

金曜の夜、ひさしぶりにターミナル駅で降りた。駅の改札は、ひとがぎゅうぎゅう。内側にも人、外側には待ち合わせのたくさんの人。たくさんの人がぎゅうぎゅうと歩いている。それなのに、寒い。

今日は気温が、うんと低くなったから。これほど、たくさんの人がいるのに。まだ、寒い。

寒い中、講演会場へ向かう。その心の内はあったかだ。外の寒さと内のあったかさが、ぐずぐずとなり、心落ち着かない。

きょうは、どうしても話を聞いてみたかった著者さんの講座ある日。就職活動を始める大学生対象に、読んでもらうための文章の書き方を伝えてくれる。うらやましいな、聞きたいな。学生さんになりたいな、と思っていたら、社会人用に一部の席が解放された。大急ぎで申し込んだ。その著者の本を「布教」した友人たち数名にも、知らせた。それくらい、たのしみに今日を待っていた。

講演会場で、いちばん、講師に近い場所に座りたくて。でも、主人公な人たちは、大学生さん達。社会人用に準備していただいた席のなかで、いちばん、近い席に座った。目も悪いので、スライド見るならかぶりつきがいい。

座った席が、窓の近くだった。しゅうっと冷たい空気が、しのびよる。エアコンのあたたかな風も、この席に届くころには温度が落ちている。ふうふうと何かの生きづかいみたいに空気が動く。席に着いたのに、おちつかない……はずだったのに、講演が始まったら。全部、忘れた。暑いくらいになった。

それくらい、たのしくおもしろい時間。あっというまの2時間。

頭の中にも、ノートにも。たくさんのことを詰めて帰って来た。もし、ひとつだけを、伝えるとしたら「具体的なものがあるから、抽象がいきてくる

伝えるなら。まずは、具体的なもの。個人的な経験から語る。そして、その経験から得た一般的な真理をのべる。そうすれば、生き生きと温度を持ったままで、伝えたいことが相手に届く。

伝えたい欲が大きくなると、みんなにわかるようにと思いがち。そうすると、抽象的なはなしにしたり、一般化してまとめたりするから、余計に「伝えたい」がわからなくなる。伝えられている側は、ピントが合っていない映像を見せられているような、もどかしい思いがする。

だから、個人的な経験を語ることを恐れない。これが自分だというエピソードを、2~3個みつける。個人的な経験をとおして語ることで、伝わりやすくなる。

最終的に伝えたい言葉が、だれかと同じ言葉だったとしても、そこにたどり着くまでの道は、人それぞれ違う。その違いが、いろどりとなって、相手に伝わる温度になる。

「書く」ことが苦手なら、話をすればいい。友人に話をしてみて、いちばんウケた内容を、そのまま言葉にすると伝わる文章になる。「書こう」とおもって書けないなら、「何を話そう、どうやって話そう」とすれば、書けるらしい。

その話を聞きながら、音声でのブログ配信やプロフィール文のことを考えていた。

もし、音声で伝えるならば、わたしは何を話すだろう。音声になったものを、ブログ記事に書きおこしたら、内容はわかりやすくなるんだろうか。音声入力すれば、伝わりやすい記事になるんだろうか。

プロフィール文を「ひとつ」のエピソードにするならば、わたしは何を伝えたいだろう。どう伝えるだろう。

音声でブログを聞けるとしたら、わたしは誰の声を聞きたいだろう。

頭の一部で、考えながら。身体と顔は、目の前で話して動いている講師を追いかける。メモを取る。頭の温度がくっと上がった。身体の温度も上がった。席に着いた時の落ち着かない感覚は、寒さと一緒に、いつのまにか消えていた。

興奮したまま、会場を後にする。頭も体も熱いし、金曜の夜だから、ごほうびビールを狙っていた。会場のあったビルを出たら、きゅっと寒かった。ビールはあきらめた。


▽ 今日聞きに行った講座「伝わらない文章の秘密」。講師(小林昌平さん田中泰延さん

▼ 文字だけでおめにかかるのもいいけれど。声だからこそ、つたわる温度もあるから。Youtubeを、お弟子さん2期生有志で始めました。

>>>Youtubeお弟子さん2期チャンネルをみる <<<

▼ カウンセリングはじめました(2期生のご紹介)

3+
タイトルとURLをコピーしました