
「今月も、おつかれさまでした」
このことば。自分じゃない誰かには、よくかけるのに。
自分自身には、なかなか言わないような気がする。
だから、月末には、ちょっと立ち止まって。
今月の自分のがんばりを思い出して、「よくやったね。おつかれさん」と声をかけてほしいのです。
*
あと数日で5月も終わり。
連休が明け、日差しが強くなりはじめて、気づけば、もうすぐ梅雨の頃。
この5月、どんなふうに過ごしていましたか?
「何かをはじめようと思ってたのに、気づいたらあっという間だった」
「やろうと思っていたこと、実はあまり手がついていないかも……」
そんなふうに感じている方も、いるかもしれません。
でも、それ。仕方ない。
というより、それが自然なんです。
フランスには、「だって5月だから」という言いまわしがあるそうです。
5月のフランスは、ほぼ毎週末が連休で、仕事もなんとなく停滞気味。
だから、あまり働く気になれない。
でもそれも「5月はそんな時期だから、仕方ない」と受け入れているそうな。
日本でも、5月ってそういう“ゆるみ”の時期なのかもしれません。
年度の始まりや環境の変化に合わせて、4月は勢いで動いていた方も多いはず。
だからこそ5月は、その反動で心や身体がふっとゆるんだり、疲れが出たりして
気づかぬうちに、自然と緩む。
だからこそ、やる気が出ない日があったとしても。それは「季節のせい」くらいで、ちょうどいいのかもしれません。
*
やる気が出なかった日、「何もできなかった」と感じてしまうこと、ありませんか?
そんなふうに思うと、自分を必要以上に責めてしまいやすいんです。
やる気が出なくても、仕方なし。だって、そんな感じのころだから(笑)
そうやって気軽に。やる気がないってことを受け入れて、やる気がなくてもできてた証を探ってみる。
やる気がないときって、やる気があるときの10分の1くらいの力しか出せないもの。
そういうときは、その「10分の1」の力でできることを、やっていたんです。
たとえば、布団の中から一歩出て、顔を洗った。
たとえば、身体が重いけど、仕事、がんばった。
たとえば、返事をあとまわしにしていた誰かに、ひとことだけLINEを返した。
それって、ぜんぶ「ちゃんと動いていた証」です。
見た目にはわかりにくくても、自分のなかでは確実に動いていた。
だから、「がんばってたな」って、言ってあげてほしいんです。
自分にしかわからない、小さな“進み”があるはず。
そして、もしかしたら「やる気がない」をやっていたのかもしれません。
「やる気がない」=「休む時期」だったのかもしれないし。
筋力トレーニングをするように、気力トレーニングをしたのかもしれない。
筋トレで、わざと重いものを持って鍛えるように、
「やる気がない中でも、少しだけ動いていた」あの日々は、気力そのものを鍛えてたのかもしれない。
そう思ったら、やる気があっても、やる気がなくても。
「変わった気がする」「少しだけ気持ちが動いた」
そんな実感があった人も、なかった人も。
今月は「よく頑張ってた」と思うのです。だから、自分に。
「今月も、よくがんばりました」

*
そして、気力が「頑張っていた」としても、その変化が、すぐに現実にあらわれるわけではありません。頑張りは、種をまくようなもの。種が育つ時間が必要。
見えないところで、ふつふつと。内側で動く何かはあったはず。
たとえば、「あ、こういうのもう無理だな」って思った瞬間。
たとえば、「今はこれを大事にしたい」って感じた違和感や納得感。
そういう“小さな選択”や“微細な変化”が、来月や次の季節の自分へとつながっていく。
そして今。こうして今月をふり返っていること自体が、“動いてきた証”です。
「何か大きなことを成し遂げた」という実感がなくても大丈夫。
「結果が出ていない」と感じていても、それも(まずは)問題ない。
自分のために一度ふり返ってみる。
そういう時間を持てること、それ自体がとても大切な「動き」です。
だからこそ、今日のブログは、ひとことだけで終わってもいいと思っています。
「わたし、今月もよくやってたよ」
今月を、生きて、過ごして。
ときに立ち止まり、ときにもがきながらも
それでも前を向いていたり、前を向こうとしていたり
がんばってきたあなたへ。
「今月も、おつかれさまでした」
そう、声をかけたなら、きっと。
来月は、もうちょっと軽い感じに動きはじめる。
そんな気がします。
それでは、またね。
田村洋子でした。

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