
朝は、まだ誰のものでもない「今日」との出会い。
一日のはじまりという特別な時間。わたし達の心がまだやわらかく、繊細で、これからはじまる一日の予感を感じ取れる、静かなとき。
朝は、はじまったばかりの「今日」。一日のはじまり、特別な時間。まだ、わたし達の心はやわらかで、繊細で、今日の予感を感じ取れるようなとき。
だから、朝。目覚めた瞬間からスマートフォンを手に取るのは、ちょっと待って。メールやSNSのチェックをすると、外の世界やほかの人たちの気配が、一気に流れ込んできて、やわらかな自分の気配を埋めてしまうから、まずは自分自身の気配を自覚するところから、朝を始めてみるのはどうだろう。
ということで、朝の5分。たった5分間だけ、あなた自身のための静かな時間づくりのご提案。
【 心と身体を整える朝の小さな習慣 】
1.目覚めの瞬間を大切に
スマートフォンに手を伸ばす前に。まだ布団の中でいい、目を閉じたままでもいい。「おはよう」と、自分にそっと声をかける。
2.空気と光の入れ替え
窓を開ける。部屋に残る夜の気配を、今日の気配と入れ替える。
外からの空気を感じながら、ふーっと息を吐いて、深呼吸。
(自分の身体のなかにある昨夜の空気を、今朝の新鮮な空気に入れ替えるように)
そして、おひさまに向かって立つ。たとえ曇り空でも、新しい一日の始まりの光を顔で、皮膚で感じる。これで身体が「今日」を感じはじめる。
3.身体をうるおす時間をもつ
温かい白湯(お湯でもいい)を、ゆっくりと。乾いた身体があたたかさで満たされていくのを感じながら、心も少しずつ、新しい一日への準備を整えていく。予定確認は、もう少し後でね。
4.静かな「今」を感じる
まずは10分だけ、「今」の自分を確認していく時間をもつ。お湯を飲みながらでもいいし、瞑想をするように椅子や床、ベッドに座って目を閉じてみてもいい。そして、今朝の身体の感覚、表情、気分を確かめる。
「今日のわたし」は、こんな状態で始まるんだね。
5.一日の意図を設定
お気に入りのコーヒーや紅茶を入れながら、朝ごはんの用意をしながら。
今日はどんな一日にしたいか、そっと考える。
「完璧で素晴らしい」一日を目指すのではなく、
「心地よく、あなたらしく」過ごすための小さな意図をもつ。
例えば
「今日は深い呼吸を意識して過ごそう」
「少し早めに家を出て、ゆっくり歩こう」
「同僚の良いところを見つけよう」
「今日は早めに帰って、あの本を読もう」
大切なのは、外からの期待ではなく
あなた自身が心地よいと感じられる過ごし方を選ぶこと。

朝の小さな習慣が創るもの
朝の、この小さな習慣は、「今日をどんな日にするか、どんな感じの今日にするか」を設定する時間。慌ただしい日々の中でも、この静かな時間があったなら、心はいつも自分の「中心」を保ちやすい。内にある気配を感じながら生きて行ける。
いえいえ、こんなに多くの習慣は無理だと思われるなら、1.目覚めの瞬間を大切に、2.空気と光の入れ替えの2つだけでも、やってみて。
そうすることで、「今日」の色が少しずつ変わっていくのを感じられるから。
そして、もし朝から気持ちが重くなったり、 今日一日が不安に感じられたりしたら、 それも自然なこととして受け止めてあげること。
だって、揺れ動いているのが自然界。波が寄せては返すように、木々が風に揺れるように、わたし達だって同じく揺れる。いつも揺れ動きながら、それでも前に進んでいく。
いつも100%の元気さで一日をはじめられるわけではないのだし……。
でも、そんな日こそ、よりやさしく自分に寄り添う機会かもしれません。
新しい朝が、あなたらしい一日のはじまりとなりますように。
どうか、この静かな朝の時間が、あなたらしい一日を創る小さな贈り物となりますように。
そして、その積み重ねが、あなたらしい人生をつむいでゆきますように。
それでは、またね。
田村洋子でした。
