4月のはじめの日。ついたち。エイプリールフール。
エイプリールフールが広まったのは、大正時代だという。「四月馬鹿」と翻訳されたそうで……おそらく、この四文字熟語みて戸惑った人は多かったに違いない。
四月馬鹿が日本に押し寄せてくる前、江戸時代には「不義理の日」とされていたそう。日ごろ、不義理をしている方にお手紙を書いたとか。
不義理とは、借金をしていたり、嘘をついていたりのこと。だから、4月1日にお詫び状を書いていたということみたい。
お詫び状と聞いて、ふと思い出したのは数人の友人たち。お互いに学生だった頃から、手紙やはがきを、ぽつんぽつんと送りあってきた。
最近、ハガキも手紙も書いていなかったな。
そういえば、9月にハガキを送ったのが最後のような気がする。
レターセットやハガキを出してきて、数人の友人にあてたハガキをせっせと書く。
ひさしぶりのハガキは、思ったよりも小さくて。文字があふれる。気持ちもあふれる。文末に「続きはメールで」と書いた。
受け取って、きっと、あのくしゃっとした顔をして笑うだろう。息の詰まったカエルみたいな、大きな声出して吹き出すかもしれない。
目の前で、友人が受け取った時のようす、見ることができず残念。
ハガキを書いていたら、お礼を伝えたかった人のことも思い出した。
メールアドレスしか知らない、みなさま。おひとりずつにあてて、メールを書く。
夜になって、ようやく、すべてのメールを書き終えた。
思っていたより、たくさんの「ありがとう」を自分の内にためていて。その全てをメールの中に書けたとは思えない。書ききれないもの、出せないメールはすべて、ノートに書き出した。
胸に詰まっていたことばを、ノートやメールに書き出した。
届けられることばは、メールで相手に届けた。
そのお陰か、
わたしの気持ち、すっきり。軽くなる。
そういえば、4月1日は冬の衣服をしまう日だ(着物にしこんであった綿を抜いて、春の衣に変える日)。それにちなんで「四月一日」とかいて「わたぬき」さんと読ませる名字があるというくらい。
綿を抜いた着物を着ると、さぞかし身体は軽くなっただろう。
4月1日は、心も体も軽くなる日なのかもしれない。
だから、きっと。
明日は、いい日。
今日より よいあしたになりますように
あなたにとっての しあわせあふれる日でありますように
▼ 4月のカウンセリングについて
▼ 感謝のハガキを書き続けていた日のこと