今日は、七夕(たなばた)だ。
彦星(牽牛、けんぎゅう)さんと織姫(織女、しょくじょ)さんが天の川をはさんで、年に一度あう日。
年に一度。会いたい誰かにあえること。それは、とても嬉しく、しあわせな時だ。
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友人と会うことが、まれだ。
まれにしかあわないのだから、と。会うときには、どこへいこうか。どの店に行こうかと迷う。
あれが好きだったかな。こっちのほうが喜びそうかな。
それとも、ゆっくりしたいなら、あちらにしようか。
迷えば迷うだけ、時間は過ぎるのだけれど。
一緒に過ごす時間を楽しみにできる相手がいることを思うと、こころがほんわりとあたたかになる。
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7月7日は、彦星と織姫が年に一度の逢瀬を楽しむというロマンチックな言い伝えのある日。
そんな日に婚姻届けを出しておけば、記念日として覚えていられるだろう。と、婚姻届けを出したのに。毎年、7月7日、その日が記念日であることをわたしはよく忘れる。
記念日その日のことよりも、その前後に考えてみる夫婦のかたちやふたりの過ごし方に頭が向いているから。ちょうど外の気配たちもよく、おでかけして山や海で放電中のことも多いから。
珍しく、今年は。結婚記念日の当日に、記念日であることを覚えていた。
それでも、いつもどおりの日曜を過ごした。いつも以上にのんびりぼんやり、自宅にこもった。
一緒に居てもいいよね。ふたりの普通でこれからも、よろしくね。
そのあいさつ(?)は6月のうちに、確認できていたから。
記念日は、それとして。特に何かするでもない。そんな記念日でも、まあいいか。じぶんらしいな、と笑う。
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今晩は星が見えない(東京付近)。
雲の上では いつも星空がある。
そのことを、わたし達は知っている。
だから、星が見えないかなと期待して、雲が切れるのを待つ。
雲が切れれば 星が見えるかもしれない。
星が見えないかな、と待っていたけれど、そろそろ眠気に負ける。
待つことは、体力も気力もいる。先が見えない時間を待つときは、なおさら。
でも、時間を区切り、待つと決めれば待つことができる。
あと〇分は待ってみよう。と待ってみる。
けれど、今日は雲が厚い。ベランダに立って感じ取る水の気配や水のにおいは強い。
雲の切れることは、なさそうだ。
もう星は出ないだろう、とあきらめるだけの理由をみつけた。そして、眠気に負けた。
雲の上、星の中で。
彦星と織姫は会っているかな。何を話しているのかな。
そんなファンタジーを思いながら眠ってみよう。
週が明けたら、会いたかった人たちめがけて会いに行く一週間が始まる。