あんかけスパゲティに励まされたオリジナルづくり

ぐるっと歴史を、時間をたどってみれば。わたしがわたしになるまでの要素は、過去の人によって作り上げられている。

今、わたしが考えていることは、誰かが見つけてくれたものを組み合わせることでできている。誰かの真似になってしまっている。 周りにいるたくさんの人が考えてくれたものを、つなぎあわせて今のわたしになっている。

「自分軸を取り戻せるタイミングが増えたと思ったら、次はオリジナルになれないという悩みが湧いてきたよ。オリジナルなわたしになるのは、難しいね 」

わたしはオリジナルになれない。わたしそのものであることに疑問を感じている。 という話をしたら、友人に突然、聞かれた。

「ねえ、あんかけスパゲティは好き?」

三重県への出張帰りに乗り換える名古屋駅。その時に、はまって食べていたあんかけスパゲティ。
あんかけスパゲティは、その名前のとおりスパゲティにあんをかけてある。とろみのついた甘酢あんが、炒めたスパゲティの上にのった、中華丼のスパゲティ版とでもいうおいしい食べ物。

頭に思い浮かんで、おもわずよだれ出てくる。そんなわたしをみながら友人は続ける。

「あんかけスパゲティは、オリジナルだよね。でも、スパゲティもあんかけも。あんかけスパのために作られたわけじゃないよね。
 だから、オリジナルって、たぶん、そういうことだよ」

そうか。はじめから全部つくりあげるのがオリジナルというわけでないのか。

何を組み合わせて、どんな割合で、どのタイミングで使っているのか。
何を理由に組み合わせたのか。どう考えているのか。

そういったのも、すべてあわせてオリジナルなのか。

スパゲティにあんかけを組み合わせたことが、あんかけスパゲティのもつオリジナル。あんかけスパゲティそのものの形。

だれかのまねや何かをまねしてみることは、オリジナルの始まり。まねをしたことがきっかけで、自分のこれまでの経験や、自分の願っている未来の形をとおして、わたしのオリジナルが作られていく。

わたしは見えないものを見える形にする仕組みに興味がある。
見えない、人の心、人間関係、脳の働き、生物としてのヒトの暮らし。時間のうしろにかくれている歴史や惑星のいのち。それを、見える形にしたい。たくさんのことを知りたい。そして知り合っていきたい。役に立ちたいし、喜ばれて喜びたい。
 地質や歴史、考古学、文化人類学もいい。心理学も精神医学も、漢方もマッサージも、なにもかもが混ざり合って、いまもわたしの興味を支えている。

同じように、周りの人たちも。たくさんの興味とたくさんの経験をとおして、いろいろな思いを持っている。

それが、お互いに重なり合ったり引っ張り合ったり。まねをしたり分け合ったりしながら、それぞれの人そのものの形を作り出していく。

まねをすることになっても、新しく作ることができていない気がしていても。何を組み合わせて、どう表現するかは、人それぞれに違うものになる。

それは、表現するものの中に、わたしの感情があるから。
やってみたい気持ちをとおして、他のモノコトをつなぎ合わせているから。
わたしの経験のフィルターを通して出来上がったものは、わたしのオリジナルになれるんだ。

いろいろな組み合わせを試して、まねをして取り入れて。みつけたものは分け合って。
その繰り返しで、自分そのもの、わたしのオリジナルが生まれていく。

思いがけず、あんかけスパゲティにオリジナルのことを教わったのでした。

台湾まぜそばのレシピを見て思い出した、あんかけスパゲティのこと。
…… あんかけスパゲティでの説明を思いついた友人に、拍手と感謝。

台湾まぜそばも名古屋のおいしいもの。
名古屋は有名なオリジナルが多い気がする。
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