
季節の移ろいの中で、ふと感じることはありませんか?
朝の光が少しずつ変わっていること。
風の重さが、昨日とは違うこと。
理由はわからないけれど、身体の奥で静かに何かが動き始めたような気がすること。
そういう小さな変化に、気づく瞬間。
わたしたちは普段、カレンダーを「今日は何日」と確認するために使っています。
でも、本当はそこに、もっと深い時間の流れが刻まれている。
それが、二十四節気の流れ。
春夏秋冬という大きな区切りだけではなく、その間にも。自然の流れはゆるやかに、でも確かに移り変わっている。
たとえば、冬の間じっとしていた虫たちが動き出す頃を「啓蟄(けいちつ)」と呼び、
世界が澄んで光が柔らかくなる頃を「清明(せいめい)」と名付けた。
昔の人々は、こうして自然のわずかな変化に目を向け、その気配を名前として残してきた。
そして、その流れを知ることで、わたしたちは「いま、どんな時を生きているのか」を感じることができる。
二十四節気の流れを意識し、そのときどきの問いを持つことで、自分の内側の動きと自然のリズムが調和していく。
それは、「季節を知る」ではなく、「季節を感じる」こと。
3月(啓蟄・春分):「芽生えのエネルギー」

啓蟄(3/5):「地中の虫が動き出す」
啓蟄は、冬の間じっと動かなかったものが、少しずつ動き始める時期。
あなたの内側でも、冬の間眠っていたものが目覚め始めているかもしれません。
ここで、ひとつ問いを。
「今、自分の中で芽生え始めているものは何だろう?」
春分(3/20):「昼と夜の長さが等しい」
昼と夜がちょうど同じ長さになる日。
このタイミングを迎えたとき、あなたはどんな風に感じるでしょう?
春分は、バランスを取りながらも、新しい流れに乗り出すタイミングです。
ここで、問いを。
「どの流れを選ぶと、心がしっくりくる?」
春分の時期は、様々な可能性が目の前に広がります。その中から、自分に合う流れを選ぶ時。この問いを持つことで、頭だけでなく、心と身体の声にも耳を傾けられるようになります。
4月(清明・穀雨):「軽やかに動き出す季節」

清明(4/4):「すべてが生き生きと輝く」
清明は、文字通り清らかで明るい時期。自然界のすべてが輝き始め、人の心も軽やかになっていく時です。
この時期に聞いてみたい。
「未来の景色を思い描くと、どんなイメージが浮かぶ?」
清明の時期は、晴れ晴れとした雰囲気だから「晴れ晴れとした」イメージを作りやすい。
頭で考えるのではなく、感覚で未来を描いてみる。そうすると、思いがけない景色が見えてくるかもしれません。
穀雨(4/20):「恵みの雨が降り注ぐ」
穀雨は、作物を育てる恵みの雨が降る時期。自分の中で育てたいものに、栄養を与えるタイミングです。
自分に聞いてみてほしい。
「この時期、自分が大切にしたいことは?」
この問いを通じて「(今年度は)特に、人とのつながりを大切にしたい」と気づかれた方がいらっしゃいました。そこから秋にかけての変化が、すごかったのです。
(彼女のその後のお話も、掲載の許可いただいているので、またいずれ。穀雨の頃に。)
5月(立夏・小満):「変化が加速する」

立夏(5/5):「夏の始まり。勢いがつく」
立夏は、その名の通り夏の始まり。エネルギーが高まり、物事の勢いがつくタイミングです。
ここで問いを。
「今、自分の中で勢いを増しているものは?」
この問いを持つと、自分の中のようすを感じやすくなります。(脳が、それを探すから)
エネルギーの流れに気づき、それを活かしやすくなってくる。
小満(5/21):「種が実り始める」
小満は、蒔いた種が少しずつ実りはじめる時期。成長の手ごたえを感じるタイミングです。
ここで、問いをひとつ。
「この流れの中で、自分が安定できる場所は?」
勢いのある流れの中で、自分が安定して立つ場所を見つけること。梅雨の前に、再確認。
それがこの時期に大切なことです。
6月(芒種・夏至):「極まり、次の流れを準備する」

芒種(6/5):「稲の種をまく時期」
芒種は、未来に向けた種まきの時期。これまでの流れの中で、次の季節に向けた準備をするタイミングです。
この頃、持ちたい問い。
「夏至を迎えた先に、どんな自分を思い描く?」
次の展開をみつめてみたら、夏の新たな流れを感じる準備ができてくる。
自分の立ち位置を整え、次の展開を見据えていくための問い。
湿気の増すころに停滞しがちな感覚を、「流れ」に向ける意図があります。
夏至(6/21):「陽のエネルギーが最高潮に達する」
一年のうちで最も昼が長い日が、夏至。
陽のエネルギーが極まり、そこから少しずつ「陰」へと移り変わる節目です。
(陰は内向き・女性性・右脳的、陽は外向き・男性性・左脳的といめーじするとわかりやすい)
このころを境に、わたし達の心や身体も、次の流れへと変化していると気づくでしょう。
ここで、ひとつ、問いを。
「この半年間のわたしに、ひと言メッセージを贈るとしたら?」
過去半年の歩みを振り返り、これまでの変化や成長を感じる時間。
そして、次の流れへと進むための「節目」を迎えるときです。
二十四節気と問いを日常に活かす
いかがだったでしょう?
二十四節気に合わせて問いを持ち、自分の内側の様子を感じてみる。
それは、カレンダーの日付を確認するように、特別なことではなく、ほんの小さな習慣。
でも、その小さな習慣が、ふとした瞬間にあなたの内側と外側をつなぎ、
「今、自分はどんな流れの中にいるんだろう?」と、自然に気づくきっかけをくれるかもしれません。
なんでもないときに、「意識せよ」といわれても難しいんです。でも、「これを、感じてみようか」とか「これを見て」と言われると、意識の向きは自然とそちらを向いてくれます。
だから、季節の流れに応じて「問い」をもち、意識の向きをイメージしてみる。そこにある「流れ」の存在、気配を感じてみる。そうすると、自分の内と外とで響きあってるリズムに気づくでしょう。
ツキをよむ会では、この季節の流れを感じながら、「問いを持つこと」で、自分の内側のリズムを探っていきます。
どの季節にも、それぞれの流れがあり、それに合わせた「問い」がある。
それは、「ただ知る」のではなく、「感じる」ためのもの。
これから、春・夏・秋・冬、それぞれの流れを感じるページをつくっていきます。
「いま、どんな季節が流れているのか」を、ふと立ち止まったときに確かめられる、そんな場になればと思っています。
カレンダーを見るとき、ぜひ二十四節気にも目を向けてみてください。
そして、その時期に合った問いを、自分の中にそっと投げかけてみる。
その小さな問いかけが、あなたの日々に新しいリズムを生み出してくれるかもしれません。
自然の流れに寄り添って生きること。
それは、意外とかんたんで単純で、特別なことではないけれど、
ふとしたときに自分自身を思い出させてくれるもの。
今の自分を感じる手掛かりに、二十四節季や問いを使ってみてくださいね。
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このブログは、シリーズのひとつ。
春・夏・秋・冬の「流れと問い」について書かれる春の記事です。
季節のめぐりの中で問いを持ち、今の自分に気づく時間をつくっていきます。
▶ 春が動き出す。二十四節気と問いで、新しい自分と、そっと出会う → このページ
▶ 夏が試すもの。二十四節気と問いが、本音をじわっと浮かばせる ※リンクは晩秋に追加
▶ 秋が教えてくれるもの。二十四節気と問いで、手放した先に残るもの ※リンクは晩夏に追加
▶ 冬の静けさに耳を澄ます。二十四節気と問いが、次の扉を開く ※リンクは晩秋に追加
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それでは、またね。
ツキをよむ会案内人 田村洋子でした。
※ツキをよむ会、全体への公開は5月末予定

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