
今日は、啓蟄。冬の間、土の中でじっとしていた虫たちが、そろそろ外へ出てくる頃。
春の気配に誘われて、静かに、でも確かに世界が動き出します。
そうはいっても自然の世界。この数日、わたしのいるあたりはとても寒い。雪が降ってます。
これが、この冬最後の雪になるかな、どうかな。
以前、岩手県に住んでいた頃があります。雪が降っているのに「もう、春なんだ」という先輩の声に、ぎょっとしていた瀬戸内で育ったわたし。水分を重く含んだ雪は、もうそれだけで春の使者。
あれも啓蟄の頃だったなと、ふとおもいだしました。
さて。啓蟄の頃になると、昨日までの冷たい風がやわらぎはじめます。
ふと感じる日差しのぬくもり。
道端の草花が芽吹きはじめ、小さな虫たちがちょっとずつ出てくる。そして、空気の重さが変わる。
目には見えなくても、自然の中でゆっくりと変化が進んでいることを、
わたしたちは、どこかで感じ取っているのかもしれません。
春分まで、あと2週間。
新しいはじまりに向かう、その最後の区間を、今わたしたちは生きています。
そろそろ動き出したい?
春になると、なんとなく「そろそろ動きたい」と思うこと、ありませんか?
自然の変化と響きあうように、わたしたちの身体や心も外へと向かいはじめます。
これは、ちゃんと理由のあること。
日が長くなり、気温が上がると、体内のホルモンバランスも変化します。
冬の間に多かったメラトニン(眠気や休息を促すホルモン)が減り、
セロトニンやドーパミン(活発さや前向きな気持ちを促す神経伝達物質)が増える。
だから、「何か始めたい」「動き出したい」という気持ちが生まれるのは、
とても自然なことなのです。
あなたのリズムを大切に。
でも。もし、まだ冬の余韻が残っていると感じるなら。
周りが動き始めても、自分の中ではまだ準備が整っていない気がするなら。
それもまた、自然な流れ。
花が咲く時期がそれぞれ違うように、
虫たちが地上に出てくるタイミングも、それぞれ。
早く芽吹くものもあれば、もう少し静かに待つものもある。
あなたの中で「そろそろ」と感じるものがあるなら、小さく動き出してみるのもいい。
でも、まだもう少し眠っていたいなら、その感覚を大事にしてみてもいいとおもう。
流れを感じながら、自分のリズムで春を進んでゆきましょう。
大切なのは、
「動くべきだから」ではなく、「今、動きたいかどうか」。
春の気配の中で、自分のリズムを感じてみてください。

春を五感で感じるワーク
自分のリズムを感じてみる。とはいえ、なかなかしづらいこともある。
特に「3月は去る」と言われるくらいに、仕事に気ぜわしいことも多いから。
だから、思い出したときに、
ほんのちょっと立ち止まって空を見てみる。風に触れる、深呼吸する。
そんなゆとりをもってあげたら、
わたし達の本来持っている「感じる力」を思い出しやすくなる。
あなたは、今、どんな感じがしていますか?
「春が近づいている」と、頭ではわかっていても、
実際にどれくらい感じられているでしょうか?
自然の流れに寄り添うために、五感を使って春の気配を探してみるのもおすすめです。
目で感じる
>>「景色の中に、どんな変化が生まれている?」
冬の間は気づかなかった色が、少しずつ増えてきているかもしれません。
空の色、木々の新芽、道端の草花。目に映る景色の中で、春の気配を探してみましょう。
音で感じる
>>「耳を澄ませると、どんな音が聞こえる?」
鳥のさえずりや、風の音。冬よりも少し軽やかになった音の変化を感じてみてください。
香りで感じる
>>「空気の中に、春の香りはある?」
土の匂い、花の香り。気温が上がると、空気の中にほんのりとした春の香りが混じり始めます。
触覚で感じる
>>「肌に触れる空気は、どんな質感?」
冬の冷たさがやわらぎ、少ししっとりとした空気を感じるかもしれません。
洋服の素材が変わるように、春の訪れとともに、肌で感じるものも変わっていきます。
五感を開いて季節を感じることで、
春の流れの中に自分をゆっくりと、なじませていくことができます。

春分へ向けて
啓蟄のエネルギーは、春分へとつながっていきます。
この時期にどんな気配を感じていたか。
どんな変化が内側で起こっていたか。
そんな視点を持ちながら過ごしてみると、次の節気を迎えたときの気づきが、また違ってくるかもしれません。
流れを感じながら、あなたのリズムで、春を迎えていきましょう。
それでは、またね。
田村洋子でした。
※ここから、もう少し深く、流れを読んでゆくのが「ツキをよむ会」
現在、モニターさんと最終調整をし始めたばかり。
6月ころには、みなさまへご案内できると思います。
「ツキをよむ会」の雰囲気を感じるならば「満月の質問会」もおすすめ
>> 「満月の質問会」の詳細などはこちら https://tamurayoko.jp/tsukitoi
どうぞ、おたのしみに。
