
夜の静けさは、自分の内側とつながる時間。
ふと空を見上げたくなるのは、そこに「何かを見つけたい」と思う気持ちがあるからかもしれません。
昼にいろんなことがあっても、夜の空を見上げたら、すーっと呼吸が深くなるような、そんな気がしませんか。日中のがんばりを、いったん、脇に置いて。自分のためだけの何かになる時間が夜。
「満月の夜は、〇〇をするといいですよ」といった情報が、あれこれと飛び交ってる。その中に、わたしからも、これを加えてみたい。
それは、満月は自分の内側をそっと照らしてくれるものである。ってこと。
真っ暗なカバンの中を光が照らしてくれたなら、今まで忘れてたものを発見することってありませんか?
満月の夜は、それに少し似てる。
満月は「ピークに達する時間」。つまり、何かを「足す」のではなく、すでに満ちている。
そして、今、あるものがはっきり見えてくるとき。これまで積み重ねてきたこと、すでに持っているけれど意識していなかったことが浮かび上がる、そんな時期。
「新しい何かを探していたつもりだった」けれども、気づいてみたら「すでにもう持っていたものがみつかった」という感じ。
満月のころは、そんな気づきがやってきやすいと、わたしは感じてます。

普段、過ごしているなかで、わたし達は「足りないもの」を探しがち。
もっと時間があればいいのに(時間の自由もないし、そもそも足りない)。
もっと自由になれればいいのに(自由になれない気がする)。
もっと才能があったらいいのに(なのに、ない)。
もっとお金があれば……
とかね。
でも、満月の夜は月のひかりが言ってるような気がする。夜に語りかけられてる気分になる。
「もう、持ってるよ。すでにあるものを、見てごらん。持ってるものを、探してみよう」と。
わたし達が悩むのは、「足りない」気がしたり、「愛を思い通りに発揮できない」と感じたときにおこる。だから、多くの悩みは「何かを足す」ことではなく「今あるものをどう活かすか」で解決する場合も多い。
それは心理学でいう「資源志向アプローチ」。問題を解決するには「足りないもの」を補うよりも「すでにある資源や強み」を活用する方が効率的だという研究結果があるのです。
だから、満月のおまじない(?)だからと理由をつけて、おもしろく「ある」をみつけてゆきたい。そうすると、不思議と心もほぐれて、流れに乗りやすくなるのです。
例えば、こんなふうに、自分に聞いてみてください。
どれかひとつ、ピンときたものを選んで、心の中で問いを持ってみるだけでも大丈夫です。
「いま、わたしの中にある大切なものは何だろう?」
「ずっと好きだったけれど、忘れていたことは何だろう?」
「すでに持っている力で、まだ活かしきれていないものは?」
これらをわたしは「満月の問い」と呼んでいます。(満月の頃に、よく思い出す質問(問い)であることと、満ちてる今だから見えるものがあるように思うから)
問いを持つということは、自分に「これ、あなたはどう思う?」と問いかけること。自分の内側に静かに耳を傾けるきっかけになるからです。

わたしが先日、お客さまのMさんと話していたとき、彼女が言っていました。
「最近、自分に足りないものばかり探している気がして。それが疲れるんです」
そこでわたしは満月の問いを提案しました。
「では、すでにMさんの中にあるものを探してみましょうか」
彼女は少し考え、教えてくれました。
「実は、ずっと絵を描くのが好きだったんです。でも忙しくて何年も描いていなくて……」とはなしはじめた彼女の目が、少しずつ、キラッとひかりはじめたのを覚えています。
(そう。ヒトってほんとうに、目が光るんです。目は口程に物を言うって本当だった)
「新しく何かをはじめる」のではなく「忘れていた好きなことを思い出す」。
ただ、それだけで、彼女の表情は柔らかくなりました。とても、生き生きとした話し方になったこと、今でも思い出します。
だから、思うのです。
わたし達は、「新しく何かをはじめる」のではなく「忘れていた好きなことを思い出す」とか、すでにあるものを活かすことで、もっと自然に流れに乗れるのかもしれない、と。
満月は、そんな「思い出し」や「再発見」の時間です。
あなたも。もし覚えていてくださるなら、満月の問い、試してみてください。

わたし達はよく、外側からの刺激や新しい情報を求めます。自信を無くしそうなときには、特に。
けれど、本当の変化は、すでに自分の中にある「種」に水をやることからはじまるのかもしれません。
だから、自分に問いかけてみてください。(できれば、満月の夜、空を見上げながら。そうすることで、呼吸の深さや身体の脱力具合が変わるので)
「わたしの中に、すでにあるものは何だろう?」と。
そして、その問いに浮かんでくる答えに、そっと耳を傾けてみる。
それはもしかしたら、ことばになる前の、もそりとした気配だけかもしれないし。忘れていた情熱かもしれない。あるいは、気づかないうちに育っていた新しい力かもしれません。
満月の質問会では、こうした「問い」を持つ時間を大切にしています。それは、誰かに答えを教えてもらうためではなく、自分の内側にすでにある答えを見つけるための時間です。
3月の満月は、特に「ある」ものに気づくのに適したタイミング。
春のはじまりと共に、自分の中の種子が何を望んでいるのかを感じてみませんか。
静かな夜に、満月の光を感じながら、自分の内側に耳を傾ける時間を持つこと。それは、新しいものを探しはじめる前に、すでにあるものに気づく大切な時間になります。
満月の夜(3/14金曜)、あなたも満月の問いを持つ時間を作ってみませんか。
>> 問いかけて、自分とつながる「満月の質問会」
その詳細はこちらから https://tamurayoko.jp/tsukitoi
それでは、またね。
田村洋子でした。
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