今日は新月。旧暦で新しい月がはじまる日。
今夜、空を見上げても、月はその姿を隠してる。
(新月のとき、月は太陽と同じ時間に空をめぐっているから)
けれど、この「見えない時間」こそが、わたし達の中でいちばん多くのことが起きているのかもしれません。

*
最近、なんだか妙に眠い。集中力も散漫で、仕事の効率は最悪。
「春の疲れ? それとも花粉?」と思ったけれど、カレンダーを見て気づいた。
そう、新月が近い。
新月の前後、こんなふうに、ぽやぽやする時期がある。
それはまるで、わたしと宇宙の間で、何かがやりとりされているみたい。
ここ最近のデータを、宇宙へ送る。
そして、新しい何かを、まだ見えないどこかから受け取る。
だから、わたしというOSは起動しても、ぽやぽや、眠かった。
スマートフォンのOSがアップデート中は、動作が重くなる。
それと同じように、わたしたちの心と体も、定期的に「システムアップデート」が必要なのかもしれない。
「新月だから、満月だから」と感じる理由に、明確な根拠はない。
けれど、月の引力が地球上の水に影響を与えることは証明されている。
わたしたちの体の半分以上は水分でできている。
ならば、何かしらの影響を受けているのかもしれない。
「今、送信中みたいな気がする」と友人に話すと、「わかる!」と即答が返ってきた。
(あなたはどうですか? どんな感じがしていますか?)
送信中に、何を送っているのか。どこに送っているのか。
それははっきりとはわからない。
でも、確かに何かを手放して、新しい何かを迎える準備をしているような気がする。
今、わたしの内側では、何が更新されている?
こんなふうに、新月が近づくと、自然と内側へと目が向きはじめるのが不思議。
心理学では、無意識の処理が、意識的な思考に先立って行われることが知られている。
夜、眠っているときに見る夢も、そのひとつ。
表面の思考が忙しくないときこそ、深い層での統合や創造が進む。
新月の、この「ぽやぽや」した静けさは、そんな内側の作業をひっそりと進めてくれているのかもしれない。

新月は、旧暦では月のはじまり。
今は如月(きさらぎ)、梅見月。
「春」の盛りへと向かう月がはじまる。
この新月、どんな思いを持って、次の「春」へ歩み出そうか?
まだ形になっていないけれど、確かに感じるものがある。
それは、気配であり、雰囲気であり、第六感とか直感とかいうべきもの。
もしかすると、未来の予感かもしれない。
知識ではなく、身体がそっと感じるもの。
その自然のリズムの中に、自分自身の思いや未来への道しるべが隠れている。
日々の仕事や家事に追われるなかで、わたしたちはよく、このささやかな感覚を見逃してしまう。
でも、静かに立ち止まり、内側に耳を傾けるとき、ふっと何かが聞こえてくる。
まだ「ことば」になっていない、そのイメージの中には、どんな未来の種が眠っている?
現実的な視点は、ちょっと脇に置いて、
「何でもあり」と思ったら、どんな可能性が見えてくる?
「非現実的だわ」と思う前に、少し夢見ることを自分に許してみる。
それが形になるかどうかはさておき、まずは
「可能性を感じること」 から、すべてが始まるのだから。

今日、新月の静かな時間に、あなたの内側から聞こえてくる声に耳を傾けてみませんか?
次の満月に向かって膨らんでいく、豊かな可能性の種が、そこに眠っている。
そして、満月の日。
今感じた「予感」や「問い」を、ことばにしてみるのはどうでしょう?
満月の質問会 は、自分に問いを持つ時間。
「この流れ、どうなっているんだろう?」
「わたしは、次に何を手放し、何を迎える?」
そんな問いを持つことで、ふっと道がひらけることがあります。
新月で感じ、満月で問いを持つ……
そんな流れを、意識的に使ってみるのもおもしろいかもしれません。
>> 「満月の質問会」については、こちら
https://tamurayoko.jp/tsukitoi
それでは、また。
田村洋子でした。