母への感謝をとおして、自分の愛し方を知る。

「母への感謝をしようとしても、うまくできないんです。母を思い浮かべたら、悔しかったり悲しかったりした気持ちの方が強くて……。どうやれば、母への感謝をできるんでしょうか」とのご質問、いただきました。

感謝を、改めてするってときは、過去のあれこれの場面を思い出すと思うのです。だから、「いざ、母への感謝をしよう!」となったときに、母との時間をあれやこれやと思い出していたならば、微妙な気分のあれやこれやも一緒にわいてくることだってある。

感謝をしようとしていたはずなのに、うまくできない。ってことを、必要以上に残念に思わなくていい。感謝をしてみようとチャレンジしてみた自分がいた。それだけで、まずはよし。

微妙な気分をもったままでも、感謝はできる。微妙な気分をもっている自分と、感謝している自分とが、同時に自分の内側に存在していたっていいのだから。

でも。微妙な気分を持っているままで、感謝できることを数えてみても。自分が嘘をついているような、偽善者っぽい感じに思えてきて、しょんぼりすることもある。

ましてや、今回の質問者さんの場合は「悔しかったり悲しかったりの方が強くて」ということだから、しょんぼりした気分が強く出るかもしれない。

そんなときは、まず。その悔しさや悲しさを、今の自分がじっとみつめてみる。
悔しさや悲しさを感じてる自分がいるってことを、今の自分がよくみてあげること。

そうしてやったら、感謝も見つけやすくなるんじゃないかな。

心理学的にみていくときに、母親は最初に意識される他人。とっても身近にいる、自分の分身のように感じられるくらいの他人。

はじめは、母親のお腹の中にいて、わたしと母親は同一の存在に近かったのに、生まれた瞬間から、わたしと母親のふたりになる。だから、心の痛みを癒していく過程では母親との関係性を扱うことも多い。「ラスボスはおかん(おかあさん)」といわれるように、心のようすを探れば探るほど、母親との関係性に戻りやすくなる。

なのでね。
「今、感謝を思いつかない」とか、「感謝だけでもなく、複雑な心境も一緒に感じちゃう」とかいうときに、自分やおかあさんを責めやすくなるんだけれども……怒りや悲しみに燃料投下しない。うまくやれない自分にがっかりしすぎない。

何に悔しく思っていたのか。何を悲しく思ったのか。
かつての自分の気持ちを、今の自分がしっかりとみつめる。

で、ほんとうは、どうしたかったのか。どうしてもらいたかったのか。
それを、今の自分がよく知ろうとしてみる。

そうしたら、いつの間にか。ちょっとだけ、小さな感謝を思い出せるようになる。ちょっとだけでも感謝できたら、不思議なもので「ありがとう」はたくさんみつけられる。やさしい気持ちが自分に戻ってくる。

嫌な気分、重い気分を感じるのは、しんどく思うかもしれない。

でも、その嫌な気分たち。自分が受け止められるだけの用意ができたから、感じている。感じられるようになった。

(今の自分に準備ができていない気持ちは、思い出すことも難しい。あったことすら、なかったことにしてしまうことだってあるのだから、今、感じられているってことは、それだけで、自分にとって、かなりの成長なのだ)

母親に対しての、悔しかったり悲しかったりする気持ちを受け止める準備が、自分にできたから感じられた、今が。その気持ちたちと向き合うとき。

悔しさと悲しさがあったのだと、見つけて、受け止めようとしてる自分の心の成長を認める。そして、かつての自分が、母親に言いたくて、でも言えなかったこと、もっとうまくやりたかったことを思い出す。書き出してみる。

書いてみたら、おかあさんに愛されたかった自分がいた。おかあさんを、もっとうまく愛したかった自分がいた。ということが自覚できる。
そんな自分を、今の自分が大切にする。

そうしていくうちに、かつての母親も今の自分と同じような年齢だったと理解できる。「おかあさん」という役割だけにおさめられた人ではなく、ひとりの女性であると見えてくる。

その女性は、その人の人生をもっている。自分とは、別の人。
母親だって、他人だ。そして、自分とは違った人生を歩んでる、ひとりの女性。

そう思えたら、改めて「ありがとう」といえることをみつけてみる。感謝が100%ってわけにはいかないかもしれないけれども、悔しさや悲しさばかりではなかったなと実感できる。

と、そんな風に思ってる。
(これが質問者さんへの返事になっていれば、うれし)

この5月。個人セッションでお目にかかっている方々の数人には、「おかあさんへのありがとう。感謝をつたえてみてはどうだろう」と、お伝えしてきた。

5月には母の日があるから、何もない月よりも、母親のことをリアルに思い出しやすいと思う。

母の日にあわせて、おかあさんと電話をしてみた人あり。
おかあさんと久しぶりの旅行に出た人あり。
もう会えないおかあさんへ出さない(出せない?)手紙を書く人あり。
いろんなやり方で、おかあさんのことを思ってみた。

そして、そのときに出た自分の反応、感じたり思ったりしたことを、今の自分がステージアップしていくきっかけにしてる。

そう思うと、おかあさんって存在は、なんともありがたい存在。

「おかあさん」と思うだけで、いろんな感情がついて出てきて。自分自身が、どんなことに気分が揺さぶられるのかを教えてくれるから。

まだ5月は、1週間くらい残ってるから。
おかあさんへの「ありがとう」を伝えてみたり。おかあさんへの思いと、そのときに自分の内で感じた気持ちとを書き出してみたり。してみるのはどうだろう?

そうすると、自分の気分が揺れる場面が見えてくるかもしれない。

気分が揺さぶられるのは、そこに「大切にしたい」という気持ちがあるから。
それを言い換えるならば「愛したい気持ち」であり、「自分はどのように、この人をこの世界を愛するのか。といった表現型」でもある。

そうして、世界を愛する自分を思い出せるはじまりに「おかあさん」って存在はいるのかもしれない。

それではまたね。
田村洋子でした。

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田村 洋子

”気配は答え。気配は本物。
気配を感じて、じぶんを生きる。”
*自分の才能や可能性を最大限に発揮するためのプログラム提供
●魂振=意識の周波数を上げる実践のマニア*瞑想と呼吸実践が日課

活動理念:
●見えないものを見える形に ◆笑顔ではなうた、おいしいごはん #じぶんを生きる 自然に生きる

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