あらためて、喜びを思い出す

本が好きだ。

初めてお話の本を自分から手に取ったのは、保育園にかよっていたころ。
「はらぺこあおむし」の絵本。
とっても色鮮やかなあおむしくんが画面いっぱいにおどってて、どきどきした。原色でぱきっとくっきりとした絵なのに、おだやかでやわらかな世界に夢中だった。

同じ本を繰り返し買ったのは「海底二万マイル」。
近所のお兄ちゃんから小学校の入学祝でゆずってもらったその本は、中学生になるまでの6年間で同じ本を3冊買った。すりきれて、背表紙がちぎれてしまうまで何度も読んだ。

そのくらい、本が好きだ。本を読むこと、活字を見ること、本をめくりながら本の世界に入っていくことが好きだ。

その記憶を。
その喜びを。
あらためて、思い出した。

友人が誕生日にあわせて送ってくれた手紙
(ずっと、はらぺこあおむし好き。小学生のころからつきあいのある友人はそれを覚えていてくれる)

「生き方や暮らし方をみつめる視点を増やすのに、きっといいとおもうんだ。
商品を売り買いするしくみ、じぶんでやってみる何かを売るための心構え。
そんなことが書いてるよ」と、友人がめずらしく本をすすめてくれた。

発売前に、お試し読みとしてkindle版(電子書籍としてネット上で本が読める)で1章が公開されていた。1章を立ち読みして、その本を買いたいと思った。

そして、本を事前予約で注文した。

発売当日は、自宅のある都内から実家のある四国へ帰る日。
そして、四国を経由し九州・福岡へむかう用事があった。

早朝の飛行機で四国へ向かうため、発売当日に書店に立ち寄ることができない。
だから、最終目的地の九州・福岡で本を受け取る手配をしておいた。

発売日の朝。飛行機で四国、九州へと移動をし、書店に立ち寄った。
今日、発売しているはずの本を受け取ろうとしたら、本がなかった。
九州・福岡では、まだ発売前。2~3日遅れての入荷。

今日発売の本を受け取りによったら、
受け取り指定日は明後日だった。
(ということでまだ手元にはkindle版だけ(笑)


関東や都会では今日の発売日に本が手に取れる。
でも、地方で本が店先にならぶのは、
発売日の翌日夕方か翌翌日。
四国(愛媛)に暮らしてた間は当たり前だったのに……
便利に人は慣れるのね。うっかりしてた。

facebook投稿、2019.5.24より

そうだった。
発売日当日に本が届くのは、都会だけ。
はじめて東京近郊にでてきたとき、発売予定日当日に本が並んでいるのを見て、とてもうれしかった。
そのことを思い出した。

本が発売当日に入る、あの喜びもうれしさも。
すっかり、わすれてしまっていた。

読みたい本をすぐに読むことができる喜び。
地元で受け取れるはずの日までの2~3日間に、2度は読むことができる。その嬉しさ。
あの、きゅっとして、にぱっとこころひらく感覚を思い出した。

—–

そして、発売日だった金曜から3日たった月曜に。
こころ待ちにしていた本を買うことができた。

発売から3日かけて、ようやく手元に届いた本。
町に住んでいる人は、もう読んでしまっているだろう本。
発売前から楽しみに。発売当日が来てからもたのしみに待ち続けた本。

それが、やっと手元に届いた。

本を手に取ることができる喜びを、あらためて思い出した。

そうか。
保育園にかよっていたころ、はらぺこあおむしの絵本を手にした時。
これくらいわたしはうれしかったのかもしれない。よろこんだのかもしれない。

お兄ちゃんに本をもらったとき。
これくらい、どきどきと本のページをめくっていたのかもしれない。
何度もなんども繰り返して読んで。本の中にいる登場人物のひとりひとりを大切に感じたのかもしれない。

どきどき。うずうず。にまにま。
きゅうっとなる感覚。

それを、今回。本を受け取るときに感じた。
思い出した。

—–

繰り返していくうちに。
時間がたつうちに。
はじめに感じたものが薄れていくのは仕方がないこと。

それでも。
何かきっかけがあれば、あの感覚を思い出すことができる。

あらためて、その感覚を思い出すことで、今ある日常がいとおしくなる。

田村 洋子

”気配は答え。気配は本物。
気配を感じて、じぶんを生きる。”
*自分の才能や可能性を最大限に発揮するためのプログラム提供
●魂振=意識の周波数を上げる実践のマニア*瞑想と呼吸実践が日課

活動理念:
●見えないものを見える形に ◆笑顔ではなうた、おいしいごはん #じぶんを生きる 自然に生きる

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