身体のメンテナンスで知る自分の心

身体のメンテナンスに行ってきた。あれこれ緊張が体の中に溜まっていたからか、いつもより多めに時間がかかった。今回の不調は、内臓がつめたく固まっていたこと、首の後ろが頭の骨とひっついてこわばっていたことによるらしい。時間をかけて、あちこちとバランスをとってもらう。

そのおかげか、身体が軽く感じられるようになった。こわばっていたお腹もゆるんだようで、腹部をぺこぺこと動かすと腹の表面と内側が、それぞれにぐねぐね動く。これだけ動くようになったなら、久しぶりにお酒を飲んでもいいかなという気持ちになった(けど、日曜のカウンセリングバーに行くまでおあずけ。まだ飲まない)。

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身体は心とつながっている。はじめて、この言葉を聞いたのは心理学の勉強をし始めたころのことだった。二度とうつ病になんてなるものかと通い始めた心理学講座で、身体からほぐしてやれば心もほぐれていくことを聞いた。

気持ちを表現するのが十分でなかったり、思っている以上に負荷がかかると、身体にも不調が現れる。身体を手入れしてあげれば、心にも効いてくる。

温泉とか整体とか、マッサージとか。身体が気持ちよくいられるものを試して見つけてみれば?

そう聞いて、いくつか行ってみた中で気に入ったのが整体院だった。

通い続けたのは、ごちゃついた雑居ビルの1室で、つやっとしたおじいちゃん先生が片言の日本語で施術をしてくれる整体院。「ずいぶん、がんばってきたね。首はえらいことになってるよ」と、ビー玉が詰まったみたいにごろごろして、痛みも持っていたわたしの首をことことと、たいした痛みもなくなでるように組み立ててくれた。はじめは体調をととのえるために通っていたけれど、そのうちおじいちゃん先生に会いたくて通った。それは、おじいちゃん先生が家族のところに帰るからと整体院を閉院するまで2年くらい続いた。

身体の様子から、じぶんの心を想像することもできる。身体の手入れをすれば、心も調子が良くなる。そのことを実感した2年だった。

心の様子や心の痛みはなかなかわかりづらいけれど、身体の様子や体の痛みはわかりやすい。

この数年は、カイロプラクティックの施術者さんのところに通っている。いつもどおりの体調のときには月に1度くらい、デスクワークが増えたり首や脚の違和感を覚えたりすると2~3週間に一度の間隔でメンテナンスを受けている。

そこでは簡単なストレッチや手当の仕方も教えてくれるし、マニアックな情報(筋肉やからだの仕組みなど)も説明してもらえる。何よりいろいろな手技?を研究し続けている姿勢を好ましく感じている。不調を確実に取り除いてもらえる安心感は格別。

最近のわたしのお気に入りは、内臓整体。こわばって塊になってしまった内臓を、ゆるふるふわりと、ほぐしてくれる。手を当てているだけのようにみえて、微妙な力具合で内臓をバラバラに再配置されるような感覚がある。時には、手のひらでゆっくりと押されながら、お腹がほぐされていく。そうなると、冷たかったお腹に温度が戻り、内側にぽおっと血が流れ始まる。そんな気がする。

腰と足が動きづらい時にしてもらう筋膜リリースも気持ちがいい。こわばっていた筋肉がしなやかに動いて、血がじんわりと流れていく感覚が面白い。

身体の具合をざっとみて、体の動かし方について施術されながら話をする。たいていは、足の使い方と座り方についての注意を受けるのだけれど、今回は緊張しすぎだと言われた。たしかに、首やあたまにむかってがっちりと塊がある。寒さで筋肉が固くなっていることもあるけれど、精神面からの影響も大きい。話をしているうちに気づくことも多い。

今回のわたしの身体は、首をすくめて身体ごと小さくなろうとしていた。肩に力を入れて、息をのんでいた。骨に囲まれた胸の中がせまくなって、心臓をおしつぶしそうに丸くなっている。呼吸もあさくなるはずだ。

この身体は「わたし」を表しているとしたら……周りから隠れるように息をひそめて、小さく身を縮こまらせる。でも、がつんと動きたくてタイミングを計っている身体。「待て」が長すぎて肩の力が取れなくなっている、わたし。

自分らしく自由にふるまう。それを忘れかけていたかな。無理をし過ぎていたかな。
人は人、わたしは私。

休みながら、たのしく笑って、やりたいように過ごしていれば、それがいい。そうすれば、身体もあったかさを保てるだろう。お腹も元気よくおなかがすいてくれるに違いない。

最後に、しばらく動き忘れていた股関節のストレッチの動きを確認した。自分でできる日々の身体のメンテナンスについて教えてもらえるのも嬉しい。

「気温も下がって来たし、最近、張り切り過ぎているみたいなので1か月ではなく20日後までに来てくださいね」

次にここへ来るときはクリスマスの頃か。年末までに、何を自分は思っているのかな。そのころは身体も心も適度にゆるんだままで、のんびり自分のままに過ごせてると嬉しいな。

そう思って外に出た。身体の中を血がどくどく走っているからか、思っていたより寒くなかった。

大きな本屋によったら、ごわんとたってたクリスマスツリーにうっとり
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