11月から会う機会がなくなる知人と、共通する話題はアニメ。会わなくなる前に聞いておきたいと、今期はじまってるアニメの中で「好きなもの」は何ですかとたずねられた。
好きなもの。そう聞かれるととても悩む。好きな種類がとってもたくさんある。
お話(ストーリー)が好きなものがあれば、登場人物の声が好きなものもある。
すでにコミックや本で出ているものをアニメ化した原作つきであれば、その原作についての好みも関わってくる。声が好きなものについても、声優さんその人の声を好きなことあれば、キャラクターにあう声だからとキャラクター事好きなることもある。
好きだといっても、そのジャンルはたくさんあるのだから、一つに絞ることは難しい。迷いに迷って、知人に伝えたのは4本のアニメたち。声優さんの声とストーリーを気に入っているもの、原作がそのままアニメとして現れたと感じたもの、ゲームを原作にしたシリーズもの、2期めに入って結末を楽しみにしているもの。番外編だけれど、数年前にテレビ放映されたアニメの続きとなる映画を2つ。
好きなものを迷い続けて、知人に伝えようとする過程で、ふと思う。いろいろな種類の好きがあることを受け入れられるのは、ヒトを相手にしない時だけかもしれない。
モノコトの好き(好きな食べ物、好きな本、好きなお菓子、好きな場所、好きなアニメ)には、たくさんの種類の好きが同時に存在していても、たのしく聞いてもらえる。笑ってもらえる。
それなのに、ヒト(特にパートナー)を複数好きになると微妙な空気になる。複数人の好きな男性がいると、まずは怪訝な目で見られる。パートナーが複数いるとなると、あきれられるか、怒りをあらわにされるか。遊んでいると言われるか。
「好きなアニメは何ですか」と聞かれたから、たくさん迷ってみることを楽しんでいたけれど、これが「好きな男性(タイプの男性)はどんな人か」と聞かれたら苦しかったかもしれない。
どれも真剣に好き。種類の違う好きがたくさん同時に存在している。モノもヒトも、まぜこぜにして、たくさんの好きがそこにある。
だから、わたしは注意深く返事をする。今、聞かれている「好き」が何にとっての好きなのか説明できるように、多くの言葉を確認する。どの種類の「好き」を聞きたくて、好きなものは何ですかと相手が聞いているのかを考える。
ほんとは、もっと簡単な「好き」。
ただ、自分が好きだから「好き」だ。気に入っているかどうか、それだけだ。それなのに「好きなものは何ですか」の質問に応えるためには、かなり条件を確認して定義を作って、確認をとらないと安心できない私がいる。
「好きなものは何ですか」
そこには、自分の中で「好き」を知る段階と、他の人に「好き」を伝える段階のふたつがあるように思えてならない。