
「動きたいのに、うまく動けない」
「気持ちは前向きな”つもり”なんだけど、身体がついてこない」
そんなふうに感じる日が増えてきたら、それは今の季節が、あなたにそう思わせやすくしているのかもしれません。
芒種とは?~意識しておきたいこと
6月に入り梅雨入りのニュースが聞こえてくる頃。二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」を迎えます。
芒(のぎ)とは、稲や麦などの穂先にある、とがった部分のこと。
「芒種」とは、その芒を持つ植物たちの種まきをする季節を意味しています。
この節気は、春から夏へと移り変わる隙間のような、ぽつんと静かな時間を感じられる頃。
自然界の呼吸に重なるように、わたしたちの内側にも「揺らぎ、隙間」がやってくるように思うのです。
ちょうど今。麦は収穫を終え、田んぼでは稲が植えられてゆきます。
雨が降って水が増え、稲を育ててくれる、この頃。空気は湿り気を帯び、梅雨の気配もちらほら。
その重い感じにひっぱられて、心身もどこか曇りがちな感覚になるかもしれません。
ですが、この、曇ったような重さ、停滞感こそが、「新しい流れの前に立ち止まる」ための合図になるような気がしています。
動きにくいときほど、「内側を整える」時間に
芒種の頃に感じる重さ、なんとなく鈍くなったような感じは、単なる気分ではありません。
気圧や湿度、そして自然のリズムによってもたらされる感覚や身体の重さや鈍さから、やってくるもの。
自然界が揺れ動いているなかで、わたし達、にんげんの身体も心も繊細に揺れ動いている。
この重さや鈍さを感じるときには、止まって、感覚を使って自分のようすをチェックするのによい時期。
「動かなきゃ」と無理をするよりも、「今は整えるときなんだ」と重さと鈍さを受け止めてみる。足取りを遅く、ゆったりした状態で、自分自身に確認してみてください。
「いま、どうありたいだろう?」
「どんなふうに日々を感じながら過ごしていたい?」
目標よりも、損得よりも。まずは自分の「気持ちの姿勢」に目を向ける。
それがこの時期にふさわしい、自分自身との向き合い方。
(感度高めの感覚派の方、直感を鍛えて使いたい方は、特に)
夏至の先に待っているのは、どんな自分?
6月21日は夏至。
一年でもっとも昼が長く、光が満ちる日です。
この光のピークを迎える前に、この夏以降の自分自身を、思い描いてみる。想像してみる。

未来を思い描くとき、「はっきりした目標を立てなきゃ」と思いがちだけれど、それはなくても大丈夫。
「毎日を、こんな気持ちで過ごしていたら心地よさそう」
「こういう言葉を、自分にかけてあげられていたら嬉しい」
「夏の終わりに、“これでよかった”と思えるような過ごし方って、どんなだろう?」
そんな風に、ふわっとした感じの問いかけを、自分自身に聞いてみてください。
自分に聞いてみても、すぐに答えが出るものでもないし。聞くたび、その答えが変わることもあるかもしれない。
それでも。日々、「どんな感じかな?」と自分に問いかけながら、今を過ごしてみる。
そうしてみつけたイメージは、梅雨時の重い雲の隙間から、たまに差しこむおひさまの光のようなものかもしれません。
揺れるときこそ「優先順位の見直し」を
この芒種という時期は、外の自然と内なる感覚が揺れやすくなるとき。
でもその揺れが、かえって大事なものを浮かび上がらせてくれます。
たとえば、悩みや違和感があるからこそ、「わたしは、ほんとうは何を大切にしたいのか?」が、見えてくる。
だから、「やりたいこと」といった“行動”よりも、「どう在りたいか」という“気持ち”や“心のありよう”に目を向けてみたい。そうすると、自分の持っている真ん中の思い(ハート、魂、コア)が見えてくる。
夏を迎える前に、“自分の重心、真ん中、大切にしたい思い”をしっかり見つけておくこと。
それが、これからの数か月を気持ちよく過ごすための土台になります。
土台が見つけられたなら(完璧じゃなくてもいい)、自分にとっての行動の優先順が見えてくる。そして、やりたいことが、浮かび上がってくる。
これからやってくる夏は、暑いです。暑いと動くのが、おっくうになりません?
おっくうになっても、身体が重くても。省エネモードで、自分にできることを淡々とするために、優先順をつけて、ちゃくちゃくと歩んでいく。
変わりたいと思っている自分に、気づいてあげる
芒種の頃は、春から今にかけての収穫(=できたこと、やってきたこと)を振り返り、夏をどう過ごすかを選び直す時期。未来に向けてまく種を、選び直すとき。
進めていないように感じる日々であっても、もう一度、よくみつめなおしてください。
この春以降の、あなたには、何かよい変化があったはず。
小さな選択や、気づかぬ思考の変化があったかもしれません。
その、変化を大切にする。
それだけで、次に訪れる光の季節が、ぐっと進みやすくなります。
梅雨の重さも、雨の隙間の晴れ間も。
あなたにとって、よりよく過ごすための時間となりますように。
それでは、またね。
田村洋子でした。

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