真っ白な部屋の中で、身体の奥が震える音を聴いて過ごす時間を体験して来た。
目を開いても、白。
目を閉じても、白。
そんな空間、日常の中ではなかなかお目にかかれない。
真っ白な中にいるだけで、ぽかんと放り出されたような気分になる。身体は確かにここにあるのに、心も確かにここになるのに。何にもない宇宙の中で、生まれる前に順番待ちをしていた時みたいな心地がした。
真っ白な光は、時間によってその色合いを微妙に変えてくる。いつも感じている時間の長さが不安定になり、一瞬がとっても長い時間のような、もう何日も経っているけど一瞬のような、気分になった。
そして、その人工的に作られた光はとても明るくて真っ白にまぶしく光るのに、思い出されるのは洞窟の中の暗さ。洞窟の外にあるはずの風の気配や虫の声を聴きながら、コウモリが洞窟へ戻ってくる時間を洞窟の竪穴にへばりついて待っていた、ずっと前の仕事の時間を思い出した。
白い部屋の中で、外へ外へと自分の意識を向けながら、同じくらい内へ内へと意識が向いていく。
何かを見ているのに、何も見えていなくて。何も見えていないのに、何かの本質を身体の細胞が思い出しているような。
おもしろくて不思議な体験だった。
*
日常は、何かと騒がしい。
その騒がしさを振り切って、自分のための静かな時間や静けさを持つ空間を創るのは、今は難しいのかもしれない。だから、こういった仕掛けを持った施設へ行く。
でも、もし。この施設に行かなくても、似たような静けさを日常の中で持つなら、何ができるだろう?
ヒトは環境に慣れる生きものだ。
今の場所で心地よく過ごすために、自分自身のもつ【感じる】センサーを鈍くして騒がしさに慣れていく。本能的な部分で環境に慣れようとして(自分が意識したわけでなく)感覚を鈍くしたために、感じるセンサーが鈍くなってることに気づけない(気づきづらい)。
だから、たまには。自分自身の感覚を思い出す時間を持つ!
環境まるごと静かな場所で。時間を忘れて、自然の感触を思い出す時間をと戻す!(と覚えておこう)
景色のよい、自然豊かな場所へでるもよし。
自分の心落ち着く場所へゆくもよし。
ぽかんと、星空を見上げるもよし。
すこんと開けた高台で山を望むもよし。
海や川の水辺で、はだしの足を通る水の流れを感じるもよし。
風が木々を揺らす音、遠くの鳥の声を聴くもよし。
さて、いつ。どこで、その時間を持とうか。
その時間は休憩する時間。感覚を取り戻す時間。
そうして、休憩を取って感覚を取り戻して、また騒がしい日常もたのしむ。
*
今回、体験した白い部屋の他に、もう一つの星空を持った暗い部屋があり。はじめは、そのどちらも行き来する時間だったのだけど、白い部屋でお腹いっぱい。
今のわたしは、この白い部屋の気分。
プログラムでは、複数の部屋を移動する。白い部屋と暗い部屋と、もひとつは中庸な竹の部屋。(そして最後は、お茶を飲む部屋)。
竹の部屋では一緒に行った3人で、ことばによる誘導付きの瞑想プログラムを受けることになる。音楽とことばで、意識や思考を誘導されていくのだけれど……どの誘導瞑想プログラムを選ぶかで印象がかなり変わりそう。
そうしてプログラムの最後に、部屋を移って、お茶を一服。
ここまでで合計80分だったけれど、もっと長い時間、そこにいたような気分。時間の感覚は、日常で自分が感じているよりもっとあいまいなものなんだと実感した。
友人たちと3人で貸し切り予約してもらった今回だったから、はじめましての緊張は少なめ。その場を共に過ごす人たちによって、空間と時間の感じ方は変わりそう。
*
プログラムを終え、施設の外に出ると早めの昼じかん。さっきまで感じていた空間が夢だったような気分が続く。自分の身体が透明になり、世界の中にいるけれど別の空間をあるいているような、お山帰りの自分に戻って街を歩いた。
お昼ごはんを食べて、やっと現実を実感。おもしろい時間だったなと振り返り、デザートをつついてる友人たちとはなしながら飲んだソーダ割が美味しかった。
さて次はいつ行こう。誰と行こう。
……その前に。やたらとお山が恋しくなった。
それでは、またね
お告げ師でカウンセラー 田村洋子でした
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