[神嘗祭]実りをささげる秋祭り

神嘗祭(かんなめさい)は、その年に収穫した穀物を神にそなえて今年の実りをご報告し、五穀豊穣の感謝するまつり。宮中と伊勢神宮を中心に全国で行われているまつりです。

旧暦を使ってわたしたちがくらしていた江戸時代までは、9月17日(旧暦)に行われていました。明治時代になり、現在の暦(新暦)を導入した時に月遅れ旧暦として9月17日のひと月遅れとなる10月17日に神嘗祭を行い、それがそのまま、秋のおまつりとして現在に続いています。

神嘗祭(かんなめさい)とは

伊勢神宮のHPで、かんなめさいの説明をみてみました。

神嘗祭は、その年に収穫された新穀を最初に天照大御神にささげて、御恵みに感謝するお祭りで、由貴大御饌と奉幣を中心として、興玉神祭おきたまのかみさい御卜みうら御神楽みかぐらなどの諸祭を行います。

恒例祭典「神嘗祭」 伊勢神宮HPより

少し言葉が難しかったので、簡単な言葉に置き換えてみました。

その年収穫したお米などを最初にあまてらすおおみかみにおそなえし、その恵みに感謝するお祭りで、とても清らかな食べ物と布など食べ物以外のそなえものを(おそなえするまつりを)中心として、[興玉神祭]、琴を引いて神のことばをおろし、神楽を神前でおこなうなどのまつりを行います。

伊勢神宮で行われる神嘗祭

伊勢神宮では、外宮と内宮の2か所だけでなく、別宮や摂社・末社までも神嘗祭が行われます。これほど、大きなお祭りであることを見ても、その重要さがわかります。

神嘗祭は、6月・12月の月次祭と共に「三節祭さんせつさい」と呼ばれ、神宮の最も由緒深い祭典です。浄闇の中、午後10時と午前2時の二度にわたって由貴大御饌の儀が行われ、神宮神田で清浄に栽培された新穀の御飯・御餅・神酒を始め、海の幸、山の幸をお供えし、明くる正午には、勅使をお迎えして奉幣の儀を奉仕します。お祭りでは秋の実りに感謝申し上げ、皇室の弥栄、五穀の豊穣、国家の隆昌、並びに国民の平安を祈願します。

お知らせ「神嘗祭」-伊勢神宮HPより

地方で行われる秋祭り

地方で行われている秋祭りも、その年の収穫を神にご報告し五穀豊穣を感謝するまつりです。神嘗祭(かんなめさい)と名がついていないけれども、同じ役割を果たしています。

わたしの実家のあった愛媛県松山市のとある地域でも、秋祭りは10月17日、神嘗祭と同じ日付で行われていました(今は10月7日が秋祭りの日です。この日付の変更は、市町村合併によって松山市に合流したことでおきたもの)。

秋祭りでは、ふたつの祭祀が行われていました。

ひとつは、神に今年の実りを報告し、感謝を伝える祭祀。これは、前日に穀物や酒などの神にささげる供物を祭壇に並べ、夜明け前に神社に集まり感謝の祈りをささげるものでした。

もうひとつは、神輿で地域全体で神様を歓迎する祭祀。感謝を伝えた後に、神輿(みこし)をかついで地域全体を練り歩きます。神にみこしにのってもらって、地域を視察していただきます。そして、要所要所でお出迎えのお食事をふるまうのです。

お食事をふるまう家や田畑は年によってあらかじめ決められていて、神から土地へ力を分けてもらう場所(かみさまに土地をおがんでもらうと作物がよく育つ)とされていました。

神の力は、神輿を大きく揺り動かすことで田畑や土地へと伝わります。大きく神輿を揺り動かすほどに、神が喜び田畑や土地の力が強くなると考えていました。

今に伝わる形の中にあるモノは

今回は神嘗祭(かんなめさい)をさっとながめてみました。

宮中と伊勢神宮が中心となって行っているという神嘗祭。実際に、そのまつりに参加したうえで、文献を調べてみると違う発見もありますから、伊勢で行われている神嘗祭にもいつか参加してみたいものです。

いろいろな地方の祭祀のいわれを調べていくうちに、根本になる魂振りの考え方が形をかえてまつりに残っていることを知り、不思議な気持ちになりました。

今に伝わる形の中にあるモノ(真理、真実、道理)は、意味を忘れられていたとしても、なにかしらのエネルギーを残していると感じています。自分の知っているまつりや祭礼の形を通じて、すこしずついろいろなモノを知っていきたいと願っています。

田村 洋子

”気配は答え。気配は本物。
気配を感じて、じぶんを生きる。”
*自分の才能や可能性を最大限に発揮するためのプログラム提供
●魂振=意識の周波数を上げる実践のマニア*瞑想と呼吸実践が日課

活動理念:
●見えないものを見える形に ◆笑顔ではなうた、おいしいごはん #じぶんを生きる 自然に生きる

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