窓辺に飾ったクリスタル。朝の光が入ってくるときらきらと光り、支度を終えて家を出るころには壁に虹を作ってくれていた。 冬に引っ越してきて、虹の作り具合がちょうど良いねと窓辺に置いてある。
そのクリスタルが、最近、虹を作らなくなった。
クリスタルをみがいてみたり、窓をふいてみたり。
いろいろ試してみたけれど、やっぱり、虹を作ってくれない。
梅雨時だから、水気で曇ったかな。いろいろ考えてみて、やっとわかった。思い出した。
季節が変わってきてるからだ。おひさまの高さが変わってる。
冬は昼が短い。昼が短くなるのは、太陽が空を低くまわっていくから。
いまは夏。これから昼が長くなる。太陽は空を高くまわっていく。
冬、ちょうどよい斜めの高さでクリスタルに当たっていた光は。夏になって、もっと高い場所へ移動した。ベランダの隙間から窓のそばにあるクリスタルまでは、光が届きづらい場所へ上がっていった。
だから、クリスタルは虹を作らなくなっていたのか。
冬は「ちょうど 良い 」けれど、夏の「ちょうど 良い 」は位置が変わる。
「ちょうど 良い 」ものは、その時によって変わってくる。
クリスタルの位置を変えてみた。壁に虹を作ることはなくなったけれど、光が透けてきらきらとひかる。
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人の日常も同じ。 これまではよくても、今はずれてきているものもあるから。
「ちょうどよい」を保つために、少し見直しをかけてみる。
今の「ちょうど良い」は、どんなだろう? 何をしてるのが、じぶんにとって「ちょうど良い」?
今のじぶんと確認しながら、日々の「ちょうど良い」をみつけてく。
日々、少しずつ変わっていくから「ちょうどよい」が続く。