春と冬が溶け合う境目の季節。
あなたの心と身体は、今、何を感じていますか?
自然界の変化と響きあい、わたし達の身体は揺れ動く。その揺らぎは、やがて心にも波紋を広げ、心をざわめかせる。それは、まるで静かな湖面に小石を投げ入れたような、繊細で確かな変化。
立春の頃となった。暦の上で、春がはじまる。
けれど、まだ寒さの中にいるわたし達の身体は、この季節の変わり目に敏感に反応し揺れ動いてる。
年明けからの約1ヶ月、何となく体調がよろしくない、とか。やる気はあるのに空回りする、とか。
そんな感覚を抱えていらっしゃる方も多いかもしれません。
そんなあなたに、まず伝えたい。
それは決して、あなたのせいではない。
(だから、必要以上に自分を責めない。いつも以上に大切に自分を扱う。早めに休む)
今は、まだ冬の力が残りながらも、確実に春の気配が増してゆく微妙な移行期。
木々は静かに芽吹きの準備を始め、土の中では新しい命が動きはじめている。けれど、目にはまだ芽吹きや新たな命が、はっきりとした形では見えてこない。
そんな風に自然界のなかでおきていることと同じように。わたしたちの身体と心も、目に見える部分と見えていない部分とで、もぞもぞと芽吹く用意がされてきている。
特に今年は、巳年。蛇のように脱皮と再生を象徴する年。古くから言われることに、蛇は大地のエネルギーと結びつき、「変容と豊かさ」を表すとされている。
この時期に感じる不安定さは、実は脱皮と再生の影響。新しい自分に生まれ変わるための必要なプロセスかもしれない。
と、そう思えば、自分自身の調子の崩れも、やさしく見守ることができるのではないだろうか。
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変化の時期、季節の変わり目、境目の時には、いつものときより「ていねいに」。特別な手当てを自分に対して心がけること!
ということで、今回は「省エネモード」という目線で、2つのワークをご提案。
まずは【優先順位の可視化ワーク】
紙を用意して、二つの質問を自分に問いかけてみる。
- 自分自身のために、最も大切にしたいことは?
- 大切な人(たち)のために、守りたいことは?
この書き出し作業を通じて、普段は気づかない自分の価値観が見えてくる。
できれば、書き出した後、数日たって読み返してみる。そうすると、また新たな気づきも生まれるはず。
もうひとつは【エネルギー配分の意識化】
完璧を求めすぎている自分に気づいたら、意識的に力を抜いてみる。
すべてを100%でこなそうとせず、時には60%でよし!とする勇気を持ってみる。
この「60%」という数字には、実は深い意味があり……
100%に近い80%では、まだ頑張りすぎ。
かといって50%では少なすぎるのではと不安になる。
その間にある60%という数値は、
「これくらいなら続けられる」
「ここまでなら無理なく行える」
という、あなたの心と身体が受け入れやすい余白を持った数字。
その余白こそが、新しい気づきや創造性を育んでくれる。特に今の季節、この余白を意識的に作ることで、思いがけない発見が訪れるかもしれない。
そんな発見をキャッチするにも、身体の調子を整えておくと都合がいい。
十分な睡眠時間の確保や、こまめな水分補給をしていくのは、季節の変わり目なので心がけておく。
春のはじめに特に意識したいのは「嗅覚」。
アロマなどの自然の香り、外に出て感じる風の香りなどを活用した気分転換をしてみる。そうすることで、身体が春へと移り変わりやすくなる。
自然の移ろいに寄り添うように、心も身体も、ゆっくりと春の準備を整えていきましょう。あなたの中で、確実に始まっている新しい季節の訪れを、どうぞ大切に見守ってください。
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立春のエネルギーは、まるで大地の深い眠りから目覚める瞬間のよう。
まだ目に見える変化は小さくても、確実な目覚めの予感が漂う季節。
あなたの内側でも、同じように静かな目覚めがはじまっているはず。
その小さな芽吹きに、今、気づけますか?
(何が、目覚めようとしていますか?)
年の始めに描いた夢や目標も、この時期に見直してみると、また違った感じの光のように感じられるかもしれない。
大切にしたいのは、その光に照らされて見えてきた、等身大のあなたの一歩。
それは、新しい行動かもしれない。
小さな意識の変化かもしれない。
今していることを、もう少し深めていくことかもしれない。
どれもが、かけがえのない「種」。
この春、あなたはどの種を育てることを選びますか?
春から夏へと季節が移る頃、きっとあなたは気づくはず。
「あぁ、あの時の想いが、こんなふうに育っていたんだ」と。
今はただ、あなたの中で確実に始まっている
新しい季節の訪れを、静かに見守ること。
そのやさしい眼差しこそが、最高の「種まき」となるのだから。
ということで、立春のころ。
お体ご自愛しつつ、今年の夢や目標を改めて思い、進む。そんな時間に。
それでは、またね
田村洋子でした。