続ける力って何だろう。
そんなことを、立春を前にして考えているわたしです。
窓の外では、まだ冬の光。でも、確かに春の気配が見え隠れし始めた。
新しい季節を前に。「継続」について、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
三日坊主は才能。上手に活かす継続のコツ
「続かない」の中に隠された真実
特に年始や年度初めなど、新しい目標や夢を立てる季節の後に目立つのは、「続かないんです」というご相談。「新年の誓い」「今年の目標や夢」を決めたはいいけど、三日坊主で終わってしまう。そんな声もよく聞きます。
こういった相談を受けたとき、わたしはこんな質問をします。
「続かないことで、何が困るのでしょう?」
「今、具体的に感じている困りごとは?」
「もし続けてしまったら、逆に何か失われるものはありますか?」
実は、続けないことには、隠されたメリットがあるんです。
もし、その新しい習慣を続けなければ、新しい習慣を始めたことで失われる「自由な時間」をとりもどせる!
そう考えると、わたし達の心に必要なのは、何かを始める前に余白をつくっておくことなのかもしれません。
三日坊主という新しい継続法
「三日坊主でいいじゃない」
意外な提案に聞こえるかもしれません。でも、これこそが継続への新しい取り組み方。わたしがカウンセリングの中でよく提案する方法です。
しっかりと取り組む三日間が終わると次の日はお休み。そして、また新たな気持ちで三日間をはじめる。この「三日間の実践」と「一日のお休み」というリズムを繰り返していくことで、無理なく続けられるようになる。お休みがあることで長続きの秘訣になる。
このこと。数字で見てみると、よくわかる。
しっかりと取り組む三日間の後に、意識的な休息日を設ける。そして、また新たな気持ちで三日間を始める。この「三日間の実践」と「一日の休息」というリズムを繰り返すことで、無理のない継続が生まれていきます。休息日があることで、次の三日間への意欲も自然と湧いてくるものです。
このアプローチを数字で見てみると、その効果が一目瞭然です。1年間の365日を、4日間(三日間の実践と一日の休息)を単位として進めていくと、年間で91回の「はじめる」機会が訪れます。つまり、91回の三日坊主は、273日の実践日に相当するのです。
《三日坊主の達人度をみつける計算式》
365日÷4日(3日実践+1日休息)=91回の「はじめる」機会
91回×3日間=273日の実践
この数式、すごくない?
三日坊主を繰り返すことは、決して「続かない」ことではありません。むしろ、自分のペースを大切にしながら、着実に前に進む智恵なのです。
そう思うと、三日坊主も名人の域に達すれば、継続できているのと同じこと。
このように見方を変えると、「三日坊主」は「続かない人の特徴」ではなく、「賢い継続の手法」へと姿を変える。
続く習慣の作り方
歯磨きから学ぶ継続のヒント
続く習慣の例として「歯磨き」もよく話題にします。
子どもの頃は毎日の歯磨きがめんどうでした。でも、大人になると「虫歯を防ぐため」「歯医者さんに行かなくて済むため」という理由で自然と続けられるようになる。
これと同じで、「やりたくなる理由」や「やらなきゃいけない理由」を見つけることが継続につながる。
続けることでのメリットは、何?
どうしたくて、それを続けたいと思ったの?
自分自身に聞いてみたら、きっと。何か、続けたかった理由があるはず。そうしたら、たとえ三日坊主で一度止まっても、また動き始めるまでが早くなる。
読書習慣の実例
例えば。本を読んで、今の仕事に役立つ知識を仕入れたいと考え、「1週間で1冊、本を読もう」という目標を定めたとします。けれど、毎日、まとまった時間を作って本を読む時間をもつのは難しい。
そんなときには、目標のハードルを下げてみる。「1日10ページも読めれば十分」、「本を手に取れればいい」。 すると、仕事の合間や移動中、寝る前など、わずかな時間でも本を手に取ることができるようになり、不思議とストレスが減りました。
そして、気づけば1週間で70ページ。「たった10ページ」と思う日もあったけれども、その「たった」が積み重なり、最終的に「1冊を読み終える」という達成感に変わりました。
それに「最後まで読めなくても、いい」。少しだけでも読めたなら、読む前よりは確実に知識を仕入れられている。
音声配信40日の気づき
そういえば、わたし。音声配信が続いています。今で、40日間続いてる。
その継続の秘訣は、この3つ。
- ハードルを下げる
「毎日更新」というから、「めんどう、大変」と思う。
「1日1回、何かを投稿すればいい」と考えたら、気持ちが軽くなりました。 - 楽しみにしてくれる人を思う気持ち
配信を楽しみにしている人がいるかもしれない。そう思ったら「やってみよう」と思いつきやすくなりました。 - 完璧に!という重荷からの解放
「とりあえず」という言葉の中に隠された自由。それが、思いがけない継続の鍵となります。
「今日は話すことがない」と思う日でも、「とりあえず何かを更新しよう」と思えば、それで十分でした。
続ける理由を考えるよりも、むしろ「楽しみにしてくれる人」を思い浮かべることで、「続けたい」という気持ちが自然と湧いてくるのです。
これから、はじめる人へ
まずは「今日ひとつだけ」という小さな約束から!
大きな目標も、日々の小さな暮らしの中からはじまっている。
千里の道も一歩から。そんなことわざもあることだし、ひとつだけ、はじめる。
もし「続かない」と悩んでいるなら、自分の視点だけにとらわれず、次のことを試してみてください。
- 楽しみを見つける:
自分にとって面白い要素や楽しみ方を取り入れる。 - 義務感を手放す
完璧にしようとするから無理になる。「ノリ」で気軽にやってみる。 - 誰かの笑顔を思い出す:
自分の行動が誰かを喜ばせるかもしれないと思う。
この3つなら、できそうな気がしません?
「続けることを楽しみにしてくれる人」を思い浮かべながら、「今日1個だけ」やってみよう。たとえば今日、1分だけ瞑想してみる。明日、1行だけ日記を書く。それだけでいいのです。
そんな気分で毎日を少しずつ重ねていく。それが「継続する力」につながる。
完璧な継続よりも、不完全でも持続可能な行動を。 これが、わたしからの提案。
明日から、あなたも「戦略的な三日坊主」を始めてみませんか?
そうしたら、いつの間にか、大きく変化していた日常に気づくから。
【明日からの三日坊主チャレンジ】
1日目:やってみたいことを3つ書き出す
2日目:その中から1つを選び、3日間の小さな目標を決める
3日目:カレンダーに実践日と休息日をマークする
それでは、またね。
田村洋子でした。
(このブログの元になった音声はこちら)
【音声】継続する力がないって時に思い出したい。
https://stand.fm/embed/episodes/678f2eecf07c49e40aafa6b9