「まだ変わっていない」と思うときこそ、自分のもつ輝きを待つ

「変わろうとしてがんばってるのに、ちっとも変った気がしなくてくじけそう」というはなしを聞くとき、いつも思い出すのは星のこと。

昼に星が見えてこないのに、似てる。おひさまが空を明るく照らしているときにも、星は出ている。でも、おひさまの光は強くて。その光に目がくらんでしまうから、星の光をわたしたちは目にすることができない。おひさま消えてようやく、その星自身の光が見える。
（ほんとは、星たちはいつも空に出ているのに、ね。周りが暗くならないと見えない）

今は、自分が努力しているのに、全然進んでいない、変わっていないと感じるかもしれない。そんなときは、自分の心が外にある華々しい理想のかたち、明るい光に向かってばかりで、本当の自分の輝きを見る余裕がないのかも……。

「変わっていない」と思うからといって、あなたが変わっていないわけではない。
これまで積み重ねてきたこと、頑張ってきたことは、確実にあなたの内側で形になっていて、いつか自然に表に現れるときが来る。
そのときに、自分自身のたましいからのきらめき、「星」のような輝きを実感できる！

あなた自身ががんばっているから、余計に。
今は自分の変化を感じられなくて焦ることもあるかもしれない。

目の前にある景色は、かつてのあなたが創りあげてきたもの。
（望んでいないように思っても、過去のあなたがそれを創り出した）

今、目に見える星の光は、すごく遠い遠い、何光年も遠いところからやって来ている。例えば、10光年、地球から離れたところにある星の光が見えているとして。その見えている星の光は10年前に星から発せられた光。今、このときの光が届くまでにはまだ10年かかる。

人が変化するのも、そんな風。過去のあなたが思い描いて、がんばってきたものが今の景色になっている。

だから、変わりたいのに変わってない！と今から思っていても。
変わりたいと思ってがんばってたあなたのがんばりは、未来へちゃんと届いてる。

だから、くじけすぎない、あきらめない。

自分の変化に気づく瞬間というのは、おひさまが沈み、夜空に星がひとつ、またひとつと現れるようなもの。

最初は、小さな光がぽつんと、ひとつ、見えはじめる。その小さな光を見つけたとき、「あ、変わってるかも」と、ふと気づくことになる。そうしたら、その光がさらにひとつ、またひとつと増えていくように、次々と自分の中で「変化」を実感できる瞬間がやってくる。

あなたが頑張ってきたこと、変えようと意識して選びなおしてきたことは、いずれ、多くの光となって、未来へ向かう道を照らすときがくる。
そのときになってようやく、「わたしは変われたんだ」「自分には、こんなにも輝ける力があったんだ」と、心の底から実感することになる。

だから、あきらめない。

今は変わっていないように感じるかもしれないけれど、内側の輝きは確実に育っている。表面には現れなくても、自分の内側にある光は、今も静かに。大きな変化を育てている。
その変化は、夜空の星のように、まだ自分の目には見えていないだけで。そのときが来れば、自分の内にある輝きがひとつずつ、その光を現しはじめる。そのことを信じる。

夜空いっぱいの星空。なんてきれい！
その星たちのきらめきに感嘆のため息。美しさに心奪われる。

同じように、あなた自身も。その内側にはまだ隠れているきらめきがある。そのきらめき、輝きと出会いなおしていくにつれ、夜空いっぱいに星たちがきらめくような感じになっていく。そうしたときに、きっと「自分でよかった」とか、「こんなに素敵な自分だったんだ」とか、実感して自分自身のがんばりや変化に感動するんだと思う。

だから、それまで。「自分がやってみよう、がんばってみよう」と思っていることを、あきらめず、続ける！やってみる！
（わたしも。がんばる。あきらめない。）

＊

とはいうものの、人が変化したと実感できるタイミングがいつ来るのかは、自分の意思だけで決められるものではない。
どのタイミングで変わるのかは、心の状態や環境の影響も大きく関わっているから、「待つ」ことも大切。

「待つ」というのは、ただ無為に時間を過ごすことではなく、見守ることだ。今できることを積み重ねて変化の種をまいたなら、その種が自然に芽を出すまで見守る。

夜空の星の輝きが増えていくのをながめるように。
種が芽吹く瞬間を見守るように。

自分が出会い、選び、動いてきたことが、いつかは実ると信じて見守ること。
自分の輝きが外に現れるその瞬間まで、焦らず見守る。

そして、「待つ」時間は、自分をいたわり、育てるための期間。「何もしない時間」ではない。

そうして、自分の思う未来へ向かう日常を選んで、淡々と繰り返している、ある日、ふと。
自分でも予想しなかったような輝きが、ぽつりと目の前に現れる。そして、その小さな輝きはひとつずつ、光を増やしてゆき、一面の星空のように美しく輝く。

そんなときが来るのを楽しみに、これからも自分を信じて歩みを続ける。

今はまだ、その光が見えていないように感じても、あなたの中の星はどんどん輝きを増していくはず。その数も増えてゆく。
自分自身の光を、あなた自身でみつけ、自分のことを心から大切に思えるときは、きっとくる。

だから、それまで。変わるんだ、こうなりたいって気持ちで試してる動きを選びながら、自分の内にある「星」の輝きを信じ続ける。
あなたの星が、満天の夜空のように、心の中で輝ききらめく、そのときをたのしみにしつつ。

それでは、またね。
田村洋子でした。