5月は「春」を迎える喜びの月。終わりを見送り、ぽこんと「はじまり」の真ん中に浮かび上がるような月。
そんな月のはじまりに。先月もありがとうございました。今月もよろしくお願いしますと願う。
終わりに気づいたら、はじまっていた
いつの間にか「春」が終わりかけている。風はふんわりみどりの匂い。雨が上がりおひさまが高くなるにつれ、その匂いは濃くなる。
薫風(くんぷう)。うるわしく風の薫る季節がやってきた。
先日まで、「桜が咲いた。春が来た」と思っていたのに。その花たちが終わったと気づいたら、突然に夏の気配を感じる。
なにごとも、終わりに気づいた時には「はじまっていた」と気づくもの。
なにごとかをしよう、何かになろうと、こうなる!と決心を行動していた時はまだ。それまでに身についてきた多くのものが、新しい決心と混じったり、重なったりして神経を使う。
何度も、何度も。
終えたはずのものが浮かび上がって、新しい決心と混じりあい、途方に暮れることもある。
それでも。新しい決心を確認して、ひとつずつ振り分けて見ている。
新しい決心に向けて、懸命に、がんばってみているときには、なかなか。終えたはずのものが「終わっていた」と気づけない。
だから、あえて。終えたはずのものを、もう一度みつめて、自分の心の内や身体の温度がどのようにざわめくのか、ざわめかないのか。を確認したい。
そして。自分自身で「終わっていた」ことを、しんみりと味わってみる。
「終わった」と実感深くなれば、顔を上げてみる。すると、もう新しい決心の中で過ごせている自分に気がつく。
みどりの風の匂いを感じて、夏が始まっているとわかるみたいに。するりと、新しい決心の中に生きている自分に気がつく。
今月は、どんな設定で過ごしましょう??
なにをしてみましょう、どのように過ごしましょう?
次のついたちまでに、どんな結果を得ると決めますか??
その重い気分は「今」のものですか?
何かに向けて進んでいる時に。ふと重い気分が湧いてくることも多い……けれど、その思い気分は「今」のものですか。
何かの理由を、自分に納得させたくて、なじみある古い「重い気分」を連れてきているだけだったりしませんか。
*
先日、わたしはミニ講座で講師をしました。そのとき、ぎりぎりと締め付けてくるような重さや、頭の上から押しつけられてくるような重さを、話しながら感じていました。
でも、その重さ。ほんとうに「今」そのときに感じているものではなかったのです。むかし昔の学生時代に、初めて学会発表をしたときの緊張を連れてきていただけ。
あとで、それに気づいて。ひとり、くすりっと笑ってしまいました。
わたしのなかでは「初めての〇〇」は「ぎりぎりと締め付けて」「頭の上から重さを押し付けられるもの」だと記憶されていたようです。
だから、わざわざ。初めてなにかをするときには、ぎりぎりと締め付けられるような、頭の上から重さを押し付けられるような感じを連れてきていた。
もしかしたら「今」のわたしは重さを感じてはいたけれど、それ程の重さを感じてはいなかったかもしれないのに。
*
……なにを伝えたかったかと言うと。
ネガティブな後ろ向きな意味を持つとされている言葉であっても、
「今」のあなた自身は以前ほどの深刻さを持って、その言葉を受け止めていないかもよ? ということ。
ヒトは向上心あふれる生き物です。
「今」のあなたは確実に以前のあなたとは違っている。心も頭も成長していっている。
だから、以前の感覚に惑わされず、「今」の感覚を改めてみつめる。感じる。
気分もそう。ふらふら、ゆらゆら。揺れ動くものだから、常に「今」が変わってきている。
答えは自分にとって「ひとつ」かもしれないけれど、その「ひとつ」さえ刻々と変わるものとして、「今」をおそれずみつめる。
◇◇◇
今月は、やや「お告げ」成分多めの内容となりましたが、
あなたの今月を、より素敵に過ごす指針作りに役立てられたなら、嬉し。
それでは、またね。
お告げ師 田村洋子でした。
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