「やりたい!」気持ちの濃淡

わたしは、やりたい!

そう思っているけれど、その思いはどれくらいの濃度を持っているんだろう。

やりたい! と言っていたことについて、「じゃあ、いますぐどうぞ」と周りから機会をもらえた時。よっしゃ、やろうかと言えるだけの準備は、できていますか。

先日、ふたつの機会がわたしの目の前に現れた。

ひとつめは、講座の講師をしてみませんか。
もうひとつは、6か月の継続セッションをしてもらえませんか。

講座の講師は、どんな講座を自分がしたいか考えているうちに、時間が過ぎていく。そして、講師をするための選考を受ける機会を逃した。

6か月の継続セッションについては、これから半年分の道のりをイメージしてあったので、すぐに提案ができた。提案の内容を受け入れていただいて、これからの半年を、その方と伴走することになる(Kさん、よろしくお願いします)。

片方の継続セッション提供は、するりと動いて現実のものとなったのに。
もう片方の講師の仕事は現実にならなかった。その違いはどこにあるのだろう。

その違いを考えるときに、思い出したのは
会社員であったころ、営業研修で耳にタコができるくらい言い聞かせられたことばだ。

「お客様のいるところに、あなたは今すぐにいける準備がありますか

そのことばに基づいて、呼び出されたらその時にすぐ、お客様のところへ行っておはなしができるように、あれこれと下準備をしてあった。

建設現場では、ヘルメットがないと場内へ入ることができない。だから建設系の会社にいた営業さんは、自分のヘルメットと長靴(安全靴)を車にいれてあった。お客さんが現場の中に居ても、すぐ目の前に会いに行けるための準備だ(営業パンフレット類は、いつも持ち歩いている前提)。

建設系の技術職は、ヘルメットと長靴をはいて外にいる。ほこりっぽくて泥や機械油で汚れることも多い。それでも、現場作業では必要のない名刺や技術パンフレット・提案書を車に積みっぱなしにしてあった。名刺とパンフレットをつかんですぐに会いに行ける準備だ。そして、泥で汚れていない作業服もつんである。現場だけでなく、事務方のお客さんがいる事務所に呼ばれたとしても、身ぎれいにしてすぐに挨拶できるように。

お客様からせっかく声をかけてもらえても、すぐに会える準備ができていなければ、チャンスを逃すことになる。
会えたとしても、提案できるだけの用意がなければ、満足してもらえるだけの話もできない。

それは、お客様にとっても残念なことだし。自分にとっても残念なことだ。

今回わかったのは、わたしには講師をする準備はなかったという事実。
講師をする自分についての考えをまとめておくこともなく、今すぐに動ける準備も当然できてはいなかった。

「やりたい!」と強く思うなら、
「やりませんか」と声をかけてもらえたら、すぐにもできるだけの準備をはじめからしておくといい。

OKをもらえたその瞬間に動けるように、イメージをくっきりとしておけば、チャンスを逃すことはない。

チャンスをつかむ。そのためには、今すぐにでもはじめられるだけの準備が必要。準備をし続けておくことが大切。

OKの返事をもらったら、すぐに動ける準備が必要。
すぐに動けたならば、現実のものにできる確率が上がる。

そう聞いて思い出すのは、いつも断られ続けていた彼とのデートのことだ。

「ねえねえ、デートしようよ」
「えー。今日もいいよ。間に合ってます」

まるで、言いあわせたコントみたいに。毎回、わたしが誘い、彼が断わる状況がお決まりになっていた関係だった。

それが、ある日。
「デートしてもいいよ」と言われた。

あれほど、毎回。口癖みたいに誘っていた。誘う準備ができていたつもりだったのに、OKの返事出た瞬間、あたまがまっしろになった。

「ごめんなさい。行き先もなにも考えられないから……わたしから誘ったけど今日は無理」

なさけない返事をする羽目になった。
(結局、その日はデートをしたのだけれど、準備不足おおすぎてわたしに悔いが残ってる)

そして、反省。
「デートしようよ」と誘って、OKもらえたら最後まで行っても悔いがのこらないくらい、しっかりとイメージして準備しておけばよかった。

OKと返事もらって、ふふふと笑ってデートを全うするには、すぐ行動にうつせる覚悟だって必要だ。そのほうが、より満足のいく過ごし方が実現できる。

そして、今回の講師のことも含めて思うのだ。
「やりたい!」という気持ちは、ほんとうのものだったか?
濃度の高い気持ちであったか?

断られることが前提。ダメになることが前提で「やりたい!」といっていないか?

こころの内で断られるつもりでいると、OKもらえたその先の準備はできない。
うっかりOKをもらえて、現実のものにできたとしても、自分の内にもやもやと不足感が残ってくる。

やりたい! ならば、今すぐやりはじめられるだけのイメージなり練習なりしておく。そうすれば、現実のものにできる。夢もかなう。

そして、逆に言うならば。
「やりたい!」といいながら、今すぐどうぞと動けるだけの準備がないのは、まだ気もちも強く育てられていない。自分の内での優先順位が思っている程は高くない可能性があるかもしれない。

だから、想像してみる。

「やりたい!」と自分が言って、
「どうぞ」とOKが出たとき。
すぐに「やりたい!」を行動にうつせるか。

それによって、自分の「やりたい!」具合を判断できるかもしれない。

「やりたい!」気持ちの濃淡は、
やりたい!ことの何手先までイメージができるか。
今すぐ、そのやりたい!を現実にできそうか。
で測ることができる。

飛ぶ準備はOKかな。

***

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田村 洋子

”気配は答え。気配は本物。
気配を感じて、じぶんを生きる。”
*自分の才能や可能性を最大限に発揮するためのプログラム提供
●魂振=意識の周波数を上げる実践のマニア*瞑想と呼吸実践が日課

活動理念:
●見えないものを見える形に ◆笑顔ではなうた、おいしいごはん #じぶんを生きる 自然に生きる

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