あと数時間で「二の酉」が始まる。酉の市のはじまりは、酉の日0時になって叩かれる太鼓の音。そこから24時までのまる一日が酉の市だ。今年2019年の酉の市は、一の酉が11月8日金曜、二の酉は11月20日水曜になっている。
酉の市(酉の祭)は、鷲神社御祭神の御神慮を伺い、御神恩に感謝して、来る年の開運、授福、殖産、除災、商売繁昌をお祈りするお祭です。
酉の市とは.鷲神社公式ページより
有名なものは、商売繁盛と開運にご利益のある熊手が「福をかきこむ」縁起物だ。 参道の両側にずらりと並ぶ店の前にならぶようすは、花が咲いたようにあざやかで、お祭りの気分をかきたてる。熊手だけでなく、宝船や枡の形もあって、梅や松、小判や招き猫など、とにかく縁起がよさそうなものがたくさんのせられてある縁起物たち。この、どれを選んで家に持ち帰るか(買って帰ろうか)悩むのも面白い。お店ごとにデザインの雰囲気が違っているから、眺めていくだけでもたのしい。
この縁起物を買いに行きたくて、夜の浅草近隣を歩きたくて、我が家では、毎年、酉の市に通っている。今年は11月8日金曜(一の酉(とり)の日)に、浅草にある鷲神社(おおとりじんじゃ)へ行ってきた。鷲神社は、酉の市発祥の地と言われている。
今年は、入谷駅(東京メトロ日比谷線)から鷲神社へと向かった。駅のホームにも、最寄りの出入り口案内が出ているから安心だ。
入谷駅から鷲神社に向かう道は、ずるずると人がまばらに、途切れることなく歩いている。その流れにのって、神社へ向かう。夕方、仕事終わりの時間と重なっているからか、境内へと向かう列がとても長い。警察官と思われる人が、交差点の交通整理をし、通行止めにしてある道に作った参拝用の列へと人を誘導する。
参拝のための行列も長く、ずらりと提灯の灯りがならぶため、神社への道はわかりやすい。酉の市が始まる深夜0時に並んだ年にも提灯の灯りはついていたと記憶している。
もうすぐ入口だと提灯の主張もあるから、はじめていくとしても境内への入り口ははきっとわかる、とおもう。
とっても大きな縁起物が人の波の上をぬうように出入りしている。 去年の縁起物を返す場所が境内へ入る前に設けられてあるから、去年の縁起物を持った人と今年の新しい縁起物を持つ人が行きかう。
鳥居をくぐったあとも、人ごみがずるずると続く。かなりぎゅうぎゅうな境内を行儀よく並んで、お参りを済ませる。お参りの後は、いつものお店で次の年を見守る縁起物を買って帰る。あちこちから聞こえてくる話し声と、縁起物をやり取りする掛け声とが、境内でぐわんぐわんと響く。
威勢のよい掛け声と手拍子は、縁起物を買って帰る人の手に熊手や枡を渡すたびに鳴る。店の人だけでなく、その場に居合わせた皆で掛け声や手拍子をかけるので、かなりの人が手を打つ。お参りのために本殿に向かう人のざわめきと重なって、岩場によってくる忙し気な波の音のような響きがする。
「商売繁盛、家内安全を願いまして~」ざんざんざんざん。
「商売繁盛、ますます繁盛」ざんざん。ざんざん。
縁起物を手にした人のことを応援するように、その場の皆で手拍子をうちながら掛け声をかける。不思議な一体感が、あちこちに生まれて、境内全体をおまつりの熱気と重なりひろがる。その場にいる皆と一緒に、来年の開運や商売繁盛をあらかじめ祝えることがとてもたのしく喜ばしい。そして、縁起物を手にしたわたし達のことも、周りの人が手拍子をあわせて応援してくれることが嬉しい。
今年は宝船のかたちの縁起物を持ち帰った。この縁起物は、玄関口あたりに1年間、飾る。
我が家で誓うのは「家内安全」。気分の浮き沈みが激しいと自分で知っているので、家の中が安全な場所にできますようにと自分自身のようすを確認。毎日、玄関を出入りするたびにカラフルな宝船を見て、「家内安全」を心に刻む。
まつりの日の雰囲気と、周りの人たちからの掛け声や手拍子の応援がこの縁起物にしみこんでいるだろうから、きっと大丈夫。
▽ 鷲神社へのアクセス
地下鉄日比谷線 / 入谷駅北口3番出口より徒歩約7分
アクセス.鷲神社公式ページより
Txつくばエクスプレス / 浅草駅より徒歩約8分
地下鉄銀座線 / 田原町駅より徒歩約15分 台東区循環バス「南めぐりん」運行
JR / 鴬谷駅南口より徒歩約20分 台東区循環バス「北めぐりん」運行
東武線・メトロ浅草線/銀座線 浅草駅より約15分
JR / 日暮里駅東口より錦糸町駅行き都バス千束下車徒歩2分
JR /総武線錦糸町駅北口より日暮里駅行き乗車、千束下車徒歩2分