一歩、踏み出すのをためらうのはなぜ?

何かをはじめようとするとき、すぐに動き出せる?
はじめてみたものの、その直後に考え込んで、次の一歩が出なくなることもある。

夜、ふとした瞬間に「あれをやってみたいな」と思い出したり、
朝の静けさの中で「今日こそはじめよう」と思ったり。

でも、その思いはゆらゆらと揺れながら、湧いては消えを繰り返す。
新しい環境、新しい挑戦、心の奥であたためてきた夢。
「やりたいはず」なのに、なかなか一歩が踏み出せない。

頭では「やりたい」と思っているのに、なぜか体が前に進まない。
それは決して意志の問題ではなく、あなたの内側が何かを知らせているサイン。

だから、そのサインを、しっかりと感じてみよう。

ためらいの正体を感じ取る

「やってみたいけれど、なんとなくためらう」
そんな気持ちになったことはありませんか?

わたしたちが何かをためらうとき、胸の奥に広がる感覚には、いくつかの種類があるように思います。

「失敗したらどうしよう」
何かを初めてするときに湧きやすい感覚。
まだ見ぬ未来を思うと、不安になる。その感じは、夕暮れ時、慣れない道を歩くときの、かすかな緊張感に似ているかもしれません。
それは自分を守るための自然な反応。じゃあ、何を守りながら、次へ進もう?

「今のままでも悪くないし……」
長年住み慣れた部屋の心地よさ、着慣れた洋服の肌触りのよさ。
窓の外の景色が変わらなくても、その安定感が心を落ち着かせてくれる。
でも、それを失いたくない気持ちの奥で、次の景色を見たくなっているのかもしれません。

「本当にこれでいいの?」
分岐点に立つと、心の奥で何かがざわめく。
どの道を選んでも、何かを得て、何かを手放す。その天秤が揺れる感じ。
でも、迷うってことは、「どちらを選んでも大丈夫」と信じている証なのかもしれません。
選ばなくても、選び直しても、また別の道が生まれるから。

「誰かにどう思われるか」
自分の選んだものが、大切な人たちの中でどう映るのか。
それを想像すると、足が止まる。背中や喉元に、かすかな熱を感じる。
誰かを大切に思うやさしさも素敵だけど、自分に向けるやさしさも、同じように大切にできたら。

どれかひとつが強く響きますか?それとも、いくつかが混ざり合っていますか?

これらのためらいは、すべて「あなたを守るため」に生まれた感覚です。
だから、その感覚を感じられている自分に、「今日も、ちゃんと感じ取れてる」と、にんまり笑ってみる。ためらっている自分に意識を向けるのではなく、感じ取っている自分に意識を向ける。

そして、その先にある「動いてみたい気持ち」に、そっと目を向けてみる。

静けさの中で聴こえる、本当の声

忙しい日々の中で、自分の内側の声は遠くに流れる水の音のように、小さくなっていく。
目の前のことに意識を奪われ、ふとした瞬間に「何を感じていたっけ?」と思うこともある。

だから、一日のどこかで、ほんの数分。
自分の内側に意識を向ける時間を持ってみる。

特におすすめなのは、夜、眠りにつく前のひととき。

スマートフォンを手放し、ただ天井を見つめる数分間。
目を閉じてもいい。自分の心臓の音を感じながら、ぼんやりと、ただ、漂ってみる。

頭の中のざわめき、身体の内側で起きている小さな変化。
静かにすると、それらがまるで、小さなささやきを交わしながら、何かを伝えようとしているように感じられる。

そんな中で、ふと「あれをやってみたい」と思いが浮かんだら……

その瞬間、自分の体はどんな反応をしただろう?
胸がじんわり温かくなる?
それとも、お腹がきゅっと縮こまる?
呼吸が深くなる? それとも浅くなる?

その感覚を、ただ感じてみる。
評価せず、変えようとせず、「ああ、今、こう感じているんだな」と、そっと受けとめる。

自分らしい一歩の踏み出し方

ためらいがあるからこそ、「どう進もうか」と考えられるし、「無理に進まなくてもいい」と思える余裕も生まれる。

ためらいは、自分を大切にする智恵でもある。

でも、もし「そろそろ一歩踏み出してもいいかも」と思い始めたなら……

「えいや!と飛び込んでみる。進みながら考える」
意外と準備はできているのかもしれない。怖いけれど、やってみる。

「いきなり飛び込まず、風を感じながら進む」
じわじわと、今の自分に合うペースで。少しずつ道を照らしながら、進む。

「小さな挑戦から始める」
新しい教室に入る前に、まずは建物の前まで行ってみる。
扉の前で深呼吸して、今日は帰る選択をしてもいい。
次は、中に入って空気を感じるだけでもいい。

「誰かと一緒に進む」
一人で進むのが怖いなら、信頼できる人とともに。
その人の呼吸を感じながら、自分のペースを見つける。

「今じゃなくてもいいと知る」
花が咲くのを急かしても、花は花の都合で咲く。人が何かをはじめるときも、それと似てる。
だから、自分の中の種が芽吹くタイミングを待つ。
それも、ひとつの選択。

大切なのは、「ためらいをなくすこと」ではなく、「その声を聴きながら、少しだけ動いてみること」。
そして、一歩踏み出したあとの、自分の体の反応を感じてみること。

問いかけて、自分とつながる

日々の忙しさの中で見失いがちな、自分自身との対話。

夜、お気に入りのカップで白湯を飲みながら。
朝、誰もいないキッチンで、湯気の立つお茶の香りに包まれながら。
そういった、ゆっくりと過ごしたとき。自分自身に問いかけてみてください。

「わたしが今、ためらっている本当の理由は?」
その問いに対して、最初に浮かんだ言葉ではなく、その奥に広がる感覚を感じてみる。

「ためらいの中に、どんな大切なものが隠れている?」
恐れの中には、何かを守りたい気持ちが隠れていることがあります。それは何でしょう?

「一歩を踏み出すとしたら、どんな形が心地よい?」
急がず、自分のリズムで進む道は、どんな風景が広がっていますか?

一緒に、試してみませんか。

もし、この問いをさらに深く探求したいと感じたら、共に考えてみませんか?

次回の満月の質問会(4/12)は、「一歩を踏み出す前に、ためらうのはなぜ?」をテーマに開催します。

オンラインで行われるこの時間は、ためらいを否定するのではなく、「あなたにとってどんな選択が本当にしっくりくるのか」を探る場所。

静かに自分の内側を照らしながら、感じながら、今のあなたに合う形を見つけていく。
自分の中の微かな反応に耳を傾け、それを大切に受け止める。
そんな時間を一緒に過ごしましょう。

>> 満月の質問会の詳細はこちら

この瞬間にできること

この記事を読み終えたあなたに。こういったこと、試してみませんか?のご提案。

今夜、眠る前のほんの数分間、スマートフォンを手放し、ただ呼吸に意識を向けてみてください。
そして、「最近、やってみたいと思っていること」を一つ思い浮かべてみる。

その思いが浮かんだとき、あなたの体はどう反応しますか?
 胸の辺りが開くような感覚?
 それとも、肩に力が入る?
ただ、その反応を感じるだけでいいのです。

ためらいがあるのは、悪いことではありません。
それは、今のあなたにとって何かを守るための大切なサイン。

でも、もし「そろそろ進んでみてもいいかな」と感じられたなら。
そのためらいの向こう側には、新しい景色が待っているかもしれません。

その景色を見に行くかどうかは、あなた自身が決めること。
ただ、その決断の瞬間に、あなたの体が何を感じるか—
それを感じ取る感覚を、大切にしてみてくださいね。

それでは、また。
田村洋子でした。

お知らせ。
4月12日(土)20時からオンラインで。
問いかけて、自分とつながる時間を。

テーマは「一歩を踏み出す前に、ためらうのはなぜ?」。

「わたしは何を望んでいる?」
「今のこの選択でいいの?」

自分の気持ちを感じるヒントにしてみませんか?
>>「満月の質問会」の詳細はこちら

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