こんな質問が届きました。
「本音」を探る、みつめる。って聞くと、身構えちゃってやる気が起きません(笑)
自分の本音がわかっていないとビジョンを持てないのでしょうか。
この質問に込められた気持ち、とてもよく分かります。実は、かつての私もまったく同じ悩みを抱えていたから。
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わたしが初めて「ビジョン」という言葉を意識的に使いはじめたのは、自己啓発系の起業セミナーがきっかけでした。
そのセミナーは、会場に入った瞬間から、空気が違っていた。机の上にあったテキストは分厚くて、ほんとうにわかるんだろうかと不安になった。そこに添えられてた「あなたの5年後のビジョンシート」というA3の白い用紙。周りのみなさんは一斉に、ペンをとって真剣な顔をして書き始めるのだけれど、わたしの手はなかなか進まず。
「情熱を持って、ビジョンを語ってください!」と、講師の方の声が聞こえるたびに、うつ状態から回復したばかりのわたしは、少しずつ体がこわばる。そっと気配を消したくなっていたのでした。
「ビジョンって何? いきなり、どうしてカタカナ? 野望ってこと?」
「なんだか難しそう……(うさんくさいし)」
「私には無理かも」
そんな思いで、もんもんとしながら、そのセミナーに参加したものです。
だってね。その自己啓発系のセミナーに参加してる人、みんな、ギラギラして見えた。周りを蹴落としてでも!みたいな欲が渦巻いて(るように、当時のわたしには感じられた)。うつ状態から回復したばかりのわたしには刺激的過ぎた。
なので。あれくらいギラギラと、自分の主張(?)のできる人じゃないと、ビジョンを見てはいけないんじゃないかと思ってた。
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でも、ある時。ふと知った。わたしたちの言う「ビジョン」は、実は魂の約束なのだと。
だから、ビジョンは、決して無理に作り出すものじゃない。
あなたの魂が本来持っている目的で
なりたい自分の姿で
想像するだけで心が踊り出すような未来で
じんわりと温かさが広がる夢で。
つまり、ビジョンとは、わたしたちの内側にすでにある光のようなもの。それは自然と感じているもの。心の奥では知っているもの。
思い出すだけでいい。
ほんとは、何をしたい?
(あなたの本音は、どこにある?)
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「本音」という言葉に身構えてしまう方が多いのも、よくわかる。
というのも、「本音」という言葉には、ある種の重みが含まれているから。
「本音を探れ」と言われると、今の自分は嘘をついているんじゃないかと疑う必要が出てくるし。何かを我慢していたり、本当の自分を隠していたりするような、後ろめたさを感じてしまう。
それに、「本音」は?と聞かれたら、本音を選ばなきゃいけない。決断せよ!と詰め寄られたような感覚もある。
例えば、とあるお客さまの例。パートナーさんともっと腹を割って話したいけど、うまくできないんですということで来てくださっていた方。
この方、いつも、伝えることを我慢しちゃう。パートナーさんに、何気なく譲る癖がついてる。だから、本音がすぐに思いつけない。
この方は、「ちょっと、そこのタオルを取って」とか、「あしたは、花を見に行きたい」とか。小さなことを一つずつ伝えることで、腹を割って、本音で話すという感覚を取り戻されました。
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本音を知っているから、ビジョンが描ける。のではなく、実は、順番は逆かもしれない。ビジョンを描くことで本音が見えてくることも多いのでは?
それは、ちょうど星空を見上げるように。
最初、星を見上げると。街の光に目が慣れていて、小さな星の光は見えづらい。けれど、じっと見つめているうちに、だんだんと星々が見えてくる。そんな感じに似てる。
だから、まずは、描いてみる。
完璧を求めず、まずはビジョンを書き出してみる!
「ビジョンを書き出せ!」となると、威圧的なので。こんな問いかけ方は、いかが?
例えば、
- 5年後の理想の1日
- かなうと嬉しい3つの願い
- 心が躍る、うきうきするような未来のようす。
形式は問いません。書き出してみてください。
大切なのは、あなたの心が少しでもときめくこと。なんとなく、うれしくなったり、たのしかったり、思わず顔がにやけたり。続きがもっと書きたくなるような、あるいは、たのしい妄想はかどるような、そんな感じ。
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そうやってビジョンを書き始めると、不思議なことが起きてくる!
「あ、こんなことを考えていたんだ」
「こういうのが好きなんだ」
「これがわたしの望みだったんだ」
そう、本音は、ビジョンを描く過程で自然と姿を現してくれるもの。実際に試しているうちに輪郭が掘り出されてくるもの。
だから、焦らない。
あなたの中にある光は、必ず見つかるから、大丈夫!
予祝の会をするときも、かなえごと100(WISH LIST)を書き出すときも。手が止まって動かない方は、一定数いらっしゃいます。わたしも、かつてそうだった。
でもね。頭で、うんうんうなっていても、何かしら書き出してみたならば。
これは、本音に近そうだ。とか
これは、ちょっと違うかな。とか
自分の体感を通して、なんとなくわかってくる。一度わかれば、しめたもの。その感覚を、体感で知っているから日常も、そっちへむけて引っ張られ始める。感じる自分が戻ってくる。
そうして「感じる」力を取り戻せば、いつでも。ビジョンに向けて進んでたんだと、振り返って気づくことになる。
そんな風。
だから、今。本音がわからない気がしていても大丈夫。まずは、何か、ビジョンを描いてみよう。それは、5年後にしているだろう最高の1日だったり、かなうと嬉しい3つの願いだったり。
書いているうちに、すこん!と。これまで「ビジョン」を止めていた栓が外れたみたいに、ぞろぞろと。本音が湧いてくる。
だから今、あなたの本音がまだ見えていなくても、それは自然なこと。
まずは、小さな一歩から!
あなたの心が少しでもときめく未来を、ほんの一行でも書き留めてみる。
それは、まるで夜空に一番星を見つけるのに似てる。最初の一つを見つければ、次々と新しい星が見えてくるように、あなたの本当の望みも、きっと姿を現してくれます。
そして気がつけば、あなたは自分だけの美しい星座を描いている!
それが、あなただけのビジョン。
あなたらしい人生の道しるべになるはず。
さあ、今日から。あなたのとっての小さな願いを書き留めるところからはじめませんか。
それでは、またね
田村洋子でした
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